変わった運命 ページ14
二人は走っていた。
その足は病院へと向かっていた。
「ちょっと！病院では走らないでください！！」
そんな看護師の言葉を無視し、走る。
立香の病室の扉を開く。
レースのカーテンが揺れる中、こちらを見た人がいた。
「やぁ、二人とも。元気そうでなりより。」
二人とも、涙が溢れそうだった。
自分たちが変えた未来。
変わったのだ。立香の運命が。
「立香っ……！」
「あーはいはい。泣くなんて先生らしくないですよ。マシュも。もう泣かないでよ。」
改めて愛されていると感じた立香。
二人が落ち着いた後、改めて感謝の言葉をかける。
「ありがとうね。運命を変えてくれて。」
「でも…。こうして病院にいますよね？あの後、なにか怪我でも……。」
「二人が変えたのは、別の世界の私だよ。」
そう。私には真実が既に見えている。
二人が驚いている中、言葉を続ける。
「けどね、運命というのは不思議なもので。何個も存在するこの世界の物語は全部一緒。その世界の一つを二人は変えた。それに影響されたそれぞれの世界の運命が歪み始め……。今私はこうして此処にいられてる。」
少し難しい話し。
運命を変えた影響……というか衝撃が伝わり、死んだ私はこの世界では生き返った。
運命を変えるということは、それなりに凄いことが起きてしまう。
それが悪いことだったら、最悪だ。
今回は私が生き返るということだったから良かったが、もう運命は変えないほうがいいだろう。
「でも、一体何故力を使い切った聖杯が私達の願いを？」
「それについては…心当たりがあるから大丈夫。それより、本体に会いにいくよ。おそらく……お父さんに接触してくるはず。」
「……！！誰だかわかってるのか？」
「うん。先生、着替えるので外で待っててください。」
私は魔術礼装に着替える。
まぁ、服を持ってきてないからさ。持ち物から引っ張り出すしかなかったのさ。
おそらく、戦闘もあるだろうしね。
「行きましょう。一番奪われると厄介なのは、お父さんだから。」
私の考えがあっていれば、黒聖杯は＿＿＿。
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作者名：マリア | 作成日時：2022年7月22日 22時
