Sparkle Ⅱ (ページ9)

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「スンミナ、忙しいんじゃないの？どうして急に私のところ来たの」

「……君が、活動休止するって記事を見たからだよ。今まで、どんな状態でも休まなかったAが、そこまでなるなんてって、心配になったからに決まってるでしょ」

「そんなに、休むつもりはないよ。今月いっぱい、とりあえず休もうと思っただけ。無理言って仕事無くしてもらったの。もう来月からはびっしりだよ」

スンミニにそう言っても、未だに眉間に皺を寄せているから私がそれを指で伸ばすように触れると、はあ、と大きく息をついて私に抱きついた。

今日はよく、スンミニに抱きしめられている気がする。久しぶりだし、嫌じゃないというかむしろ嬉しいからいいんだけど、なんというか、変な感じ。

スンミニは私をきつく抱きしめて、肩の辺りに顎を乗せてはすんすんと犬みたいに鼻を鳴らすから少し恥ずかしい。

「……Aだ」

「うん」

「もう、勝手にあんなこと言わないで……ぼくのまえから、いなくなったりしないで……」

あのスンミニがこんなこと言うと思わなくて「いなくならないよ」と、ふわふわとした黒髪をゆっくりと撫でた。背中に回ったスンミニの大きな手が私を確認するようにゆっくりと動いている。

「……スンミニじゃないみたい」

「そりゃあ誰だって恋人にあんな別れ方されたらこうもなるでしょ、本当に信じらんない」

「あ、もう怒らないでよお……ごめんなさい……」

スンミニと喧嘩をあまりした事がなかった。スンミニが私に呆れてる部分があるのも分かっているけど、その部分でさえ愛おしいと直接言われたことがあったし、お互い意地を張ることがあっても、結局はなんだかんだ笑いあってるから、こんなにもスンミニが怒ることなんて本当になくてどうしたらいいか分からない。

あの時はあれが正しいと思っていたし、私のためにもスンミニのためにも、それが最適解だと思っていたのだ。

「……でも、どうしたらいいか分からなかったの。誰になんて、相談すればいいか、分からなくて」

「それを、僕にすれば良かったんだよ。僕たちのことなんだからAが全部、抱え込まないで良かったのに」

「……分かった。次はないと、いいんだけど」

スンミニは私の首元でもう一度大きくはあ、と息をついてまたぎゅっときつく抱きしめたのだった。