Sparkle Ⅱ (ページ8)

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「……ごめんなさい」

「僕がこれまでどれだけ心配して、どれだけAのこと考えて、あー、ほんとに……君はいつもそうだよね」

「……スンミナ、泣いてるの？」

「うるさい」

スンミニの顔を見ようとすると、大きな手で顔全体を隠されて何も見えなくなった。でも私が少し動くと指の隙間から、スンミニの少し赤くなった目が見えて本当に驚いた。

「泣かないで、スンミナ……」

「泣いてるのは君でしょ」

私がスンミニの顔に手を伸ばして、いつも私にしてくれるように頬を撫でると、親指に温かいそれが流れて、そのまま拭うように撫で続けた。

すると、スンミニは私の手を掴んで勢いよくキスをしたのだった。それを受け入れると、涙に濡れたスンミニの目が私のことを見ているのが分かって、必然的に目が合う。

お互いぐしゃぐしゃの顔でキスしてるのが急におかしくなって私が吹き出すと、スンミニもつられたように笑って、広い玄関で二人の笑い声が響いていた。

「A……」

スンミニは私をもう一度きつく抱きしめたあと、何かを言いたそうにして口ごもり、私の名前を呼んだ。

色々言いたいことはあったんだと思う。最後にスンミニと会った時より痩せた……というより、自分でも分かるくらいげっそりしたし、クマも酷い。きっとそれを触れていいものなのか悩んでいるんだとすぐに分かった。

けど、優しいスンミニのことだから、それには触れないようにしてくれていた。

「スンミナ、上がって」

「……うん、お邪魔します」

スンミニの手を引いてリビングまでやってきた。電気をつけて、片していなかった物を簡単にまとめてブランケットを畳んでソファに座るように促した。

床だけは自動の掃除機があって綺麗なままでよかったなと少し思った。

「ごめん、汚くて。今日オンニと片す予定だったの」

「広いから汚く見えないね」

「そう？」

コーヒーもあんまり飲まないし、ジュースも飲まないからやっぱり水しかなくてスンミニに新しいペットボトルの水を渡して私も隣に座る。

暑くなり始めてきてるけど、ちょっとでも暑かったり寒かったりするとエアコンをつけてしまうから、スンミニは少し寒そうにしていて畳んだばかりのブランケットを渡した。

私は夏なのに寒い中タオルケットなりブランケットなり、そういうものにくるまってるのが好きなのだけど。