Sparkle Ⅱ (ページ7)

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「……え、来れないんですか」

オンニが私の様子を見に来ると行っていたのに、直前になって来れないと連絡があった。人と会わない生活をしてるから、誰かと会うのはオンニや会社の人しかいないのに、そのオンニとも会わないなんて。

別に、誰かに会いたいというわけじゃないけど、来れないとなるとそれはそれで寂しくなるものだった。

ベッドから身体を起こして当たりを見回した。前回オンニが来てから少し経っているから部屋が散らかっている。一人じゃ片付けもできないなんて、これじゃあ子どもみたいだ。

オンニが来ないのか、と落胆していたらピンポン、となった家のチャイム。エントランスじゃないということはもしかしたらオンニが来てくれたのかもしれない、と思って玄関に向かった。

「オンニっ……！ぇ、あ」

ドアを開けると、オンニがいると思っていたのに、目に入ってきたのは、ずっとずっと、目にしないようにしてきたスンミニで、反射的にドアを閉めようとした。

そう、したのだ。だけどドアのところにスンミニの足を挟まれて、閉められなかった。スンミニの「A！」と呼ぶ声が耳に入って力が抜けると、それをいいことにスンミニがドアを開けて私のことを、思い切り抱きしめたのだった。

頭の中でダメだと分かっていても、スンミニとまたこうして顔を合わせているということが嬉しくて、気づけば涙が出てしまっていた。

「ぅ、スンミナぁっ……ダメ、なんできたの、私たち、もう」

「そんなの知らない。Aが一方的に、勝手に言っただけでしょ。僕は返事してない」

勝手に決めないでよ、とさらにぎゅうっと力を入れたスンミニに、私も背中に腕を回しそうになった。その直前で躊躇って、触れるか触れないかのところで腕を彷徨わせて、結局我慢できずに私もスンミニのことを抱きしめた。

「どうして、全部一人でどうにかしようとしたの？もっと他に、方法があったんじゃない？」

「……怒ってるの？」

「怒ってるよ。Aが一人で決めたことも、勝手に連絡取れなくしたのも、全部、全部、怒ってるよ」

怒っている、という割には私と同じように泣きそうになって、目を赤くしているスンミニに、息が詰まった。スンミニのこんな顔は、今までで一度も見たことがなかったから。