Sparkle Ⅱ (ページ35)

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「僕もパフォーマンスビデオ見たし、曲もよく聞いてるよ。ドラマも見てるし」

「なんか照れるね」

「そう？曲凄くいいよね。歌詞も前向きで明るいし、Aによく似合ってる。新鮮でいいね」

今回のドラマの私の役はソロのトップアイドル、主人公の推しで勇気を与えるような存在だった。だから歌詞もそんなようなもだし、曲名も「Bright」で“輝かしい”だとか“明るい”なんて意味がある。

確かに、かっこいい系の曲や最後は路線変更してちょっとセクシー系の曲をやっていたから、こんな明るい曲をステージでやるのはあまりなかったな、と思い出した。収録曲やOSTでは歌ったことがあるけど、ステージまではしなかった。

「スンミニが私に憧れてアイドルになった子がいるって話をしてくれたでしょ？」

「うん、そうだね」

「それからね、色々考えたんだけど……誰かの、明るい星になれたらいいなって思うようになったの。昔はテレビに映ってるキラキラしたアイドルを見て、ただ私もこうなりたいって思って、アイドルになってからはファンに楽しんでもらえればそれでいいって思ってたんだけどね。私が先輩たちに憧れてたみたいに、私に憧れてくれる人たちがいるなら、私も明るくてキラキラした存在でいたいなって思った」

人に夢を与えられるなんて素敵だなと思った。アイドルというものは綺麗なものばかりじゃないけれど、私が見せられるものは私が憧れたようにキラキラして輝かしくて、誰かを幸せにできるものでありたいと思うようになった。

昔がそうじゃなかった、というわけじゃないけど、子どもだったし、その時を生きていくのに精一杯で、ファンの人とだけ向き合っていけばいいと思っていた。でも、ファンじゃなくても私を見て元気を貰える人が増えてくれればいいなと思うし、笑顔にできたらいいなと最近はよく思う。

「Aらしいね」

「……そうかな？」

「Aは大物になるね」

「どういうこと……」

目を細めて楽しそうに笑っているスンミニによく分からないけど、どこか嬉しそうな表情が嬉しくて私も少し口角が緩んだ。