Sparkle Ⅱ (ページ34)

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「衣装、かわいいね」

「変じゃない？」

「あんだけヒョンジニが騒いでて変だと思うの？」

「そう、だけどさぁ……なんか、落ち着かなくて」

メンバーの方たちが気を遣ってくれたのか、ヒョンジニを落ち着かせたあとそっとしておいてくれて、それでも何だかそわそわしてしまったから非常階段のところまで二人で来て階段に座り込んだ。

スンミニに「この姿のA久しぶりに見た」と言われて私のセットされた髪を少し撫でて嬉しそうにしていて、こんな顔をしてくれるなら、して良かったかな、と思えてきた。

「MV見たよ。ダンス難しそう」

「チャレンジ動画でも撮る？」

「私いつか刺されるかも」

「そんなわけないでしょ」

冗談だよ、とけらけらと笑ったスンミニに少し拗ねれば私の頬を優しくつまんで「可愛い」というのだからどうしようもない。

周りをきょろきょろ見回して、足音や物音がしないこと、人の気配がないことを確認して横から抱きついた。お互い忙しくしていたから、熱愛の記事が出てからもあまり会えなくてちゃんと会ったのは今日が久しぶりだった。

「はぁ、スンミニだ……会いたかった……」

私がぎゅうっと力を入れると、スンミニは少し笑って「僕も会いたかったよ」なんて言って同じように抱きしめ返してくれた。

スンミニの大きな手が私の背中をゆっくり撫でて心が暖かくなる。

「……ご飯、ちゃんと食べてる？」

「あのね、最近ご飯一杯ちゃんと食べられるんだよ。というか食べないと筋力も体力もつかなくて大変なの」

「振り入れ大変だったって言ってたもんね」

「そうなの、まさかこんなに筋肉も体力もなくなってるなんて思わなかった……」

振り入れして、台本も読んでドラマ撮ってを繰り返していたらあんなゼリーだけ、とかお菓子だけ、じゃ全然足りなくて少し食べるようになった。そんな私にスンミニはヘアセットが崩れない程度に「偉いじゃん」なんて頭を撫でてくれた。

「今度どこか食べに行こうか」

「うんっ、焼肉行こう」

「急にそんな食べられるの？」

「大丈夫！食べる！」

スンミニに焼いてあげる、と言えば「Aが火扱うとかほんと怖いからやめて」なんて言われたから軽く殴った。痛い痛いと大袈裟に言っているけど、全然力なんて入れてないから痛くないくせに。

私が前に手料理を作ってあげたのをもう忘れたのかもしれない。酷い。