Sparkle Ⅱ (ページ24)

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事務所にいるとき、私のことを色々やってくれているスタッフさんがバタバタとし始めて、何かと聞いてみると記者の人が私に取材をしたいと押しかけたみたいだった。突撃されるよりはマシか、と思ったけどずっと気になっていたそれがとうとう来たか、とまた胃が痛くなった。

「Aは何も話さなくていいからね。もしこのあと記事が出ても極力触れないように。Aの名前は出ないように頼んでるから」

本当に、それでいいのかな。私はその後すぐ別の仕事があって事務所を離れたけど、どうすればいいか分からないまま収録を終えた。

明日は何もないから、家に帰ってから早くにお風呂に入ってすぐベッドに入った。いっそのこと何も考えることがなければいいのに、と悩むことを諦めて目を閉じた。最近色々疲れが溜まっていたからか気づけば眠っていて、起きたのは次の日の昼前だった。

起きてから何件かオンニから電話が入っていたのに気づいて、寝ぼけながらも電話をかけるとすぐに出て「今大丈夫？」と言われた。

「どうしたんですか……」

「記事、出たみたい。Aはなにか聞かれてもスルーしちゃっていいからね。事務所通してくださいって言って。あと……はあ、内容が良くないの。休みで申し訳ないんだけど、今から迎えに行くから会社に来る準備しておいて」

昨日今日で出るなんて、とオンニが言って、そこでようやく目が覚めてきてネットを見ると「私、告発します」なんて見出しのネット記事がトップに入ってきてごくりと息を飲んだ。

私の名前さえ出ていないけど、内容的に私も関わっているということは間違いないし、私が加害者側ではなく、被害者側とも取れるようなものだった。

それに、オンニの告発の中に嫌がらせとは違うことが書かれてあって、目を疑った。文中「アイドルをしながら恋愛をしてるメンバーもいて信じられないと思った」と書いてありすぐ私のことだと思った。知ってる限り、活動中恋人がいたのは私と、他オンニが二人くらい＿どちらも時期は違うけど＿で、それだけならまだしも続けて「それは誰ですか？」なんて質問に「今はグループにいません」と、ほぼ答えのようなものがあったからだった。

嘘だと思いたかった。私のことをいつも可愛いね、と言って本当の妹のように可愛がってくれたオンニが、こんなこと言うはずないと思っていたのに、何度見返しても同じことが書いてあって息が苦しくなった。

裏切られたと、オンニも端から私のことなんてどうでもよかったのかもしれない、とそう考えると苦しくて苦しくて仕方がなかった。