Sparkle Ⅱ (ページ21)

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私が思っていたよりもネット上にオンニが話すと言っていた内容が出回るのは早かった。ちゃんとした記事ではなく「有名アイドルグループS、いじめ疑惑か」なんて最初に出てかなりネットが荒れているようだった。

今から私のところにも話が来るんじゃないかと思うと胃がキリキリしてくる。オンニはああ言ってたけど、こういう人たちはああだこうだと理由をつけたりいいわけをしたりして、当事者である私に話を聞いてくるものなのだ。

そんな中でも仕事を続けなければならないのは事実で、あっという間に私の誕生日を終え、気づけばスンミニの誕生日だって過ぎていた。事故にあったと聞いた時は気が気じゃなかったけど、電話したときにいつも通りの姿を見せたスンミニにぼろぼろ泣いてしまって、それをスンミニ笑われたのは言うまでもない。

今日はファッションウィーク、ルイヴィトンのショーに呼んでいただいたためにパリへと足を運んでいた。そういえばスンミニが言うにはフィリックスくんも来ているらしく、見知った顔がいるのはちょっと安心するな、なんて思っていた。

「あ、A」

ショーを終えて今度はアフターパーティーに参加している中、色々な方と写真を撮ったりデザイナーの方とお話をしていて、その中でも周りより少し低めの声で名前を呼ばれて振り向くとそこにはフィリックスくんがいたのだった。

「わあ、A綺麗だね。似合ってるよ」

「フィリックスくんもかっこいいね」

あんまり人が多いところは得意じゃなくて、端の方で得意でもないお酒をただ飾りのように持っていたところを話しかけてくれてちょっと安心した。私と違って明るく楽しそうに話している姿をここからちらちらと見ていたから私のところに来てくれるなんて思いもしなかった。

「良かった、探したんだ。Aのこと」

「え、なんで……」

「スンミニがA緊張してたから見てあげてって」

「私のことなんだと思ってるの……」

拗ねる私にフィリックスくんは「スンミナ、ほんと過保護だね」と明るく笑って私の隣に並んだ。

あまりよく分からないままここに来たけど、どうやら簡単に呼ばれるものではないらしく、どうしてこんなところに私を……と思うほど、周りの人はキラキラしていてオーラもあって圧倒されてしまう。