Sparkle Ⅱ (ページ17)

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「今何してるんですか？」

「今はね、やりたかったこといっぱいやってるよ。家族でゆっくりもしたし、この前は一人旅もしてきた。ほら見て」

そう言ってオンニが見せてくれたものは、オランダのチューリップ畑の写真で、美術館の写真や美味しそうな食べ物の写真などたくさんあった。

家族と日本にも行っていたみたいで、一緒にグループ活動をしていたときとは全く違う、心から笑えている笑顔の写真ばかりで少し安心した。

「Aは……色々あったみたいだね。心配だったんだよ。連絡はしてたけど……なかなか会いに行けなくて、ごめんね」

「そんな、気にしないでください。でも、今日はどうしたんですか？急に遊びに来るって言うからびっくりした」

「……今日はね、Aに話があって」

どこか言いづらそうな顔をしたオンニは、ふう、と大きく息を吐いてから「あのね」と話を切り出した。

何か重大な話なのか、オンニは緊張しているみたいで私にまでその緊張が伝わって生唾を飲み込む。

「……告発、しようと思うの」

「告発、って……」

「私たちの、こと。全部、話してこようと思ってる」

告発、私たちのこと、そう言って思い浮かぶのは陰湿な嫌がらせやメンバーにされてきたことだろうとすぐに分かった。

オンニは「ようやくAも落ち着いてきた頃なのにごめん」と大きく頭を下げた。ここで頭をあげてください、と言うべきなんだろうけど、あんまり頭が追いついていなくて、オンニの頭をただ見ていた。

「……私、やっぱり許せなくてさ。あの人たちのやり方も、事務所が気づかなかったのも、おかしいと、思って」

「でも……」

「記事、見たよ。リークしたのってあの人たちの誰かでしょ？これも、許せなくて。知ってる？あの人たち今、カムバックの準備してるの。Aがこんな辛い思いして、もう関係ないのに苦しめられてて、それなのにのうのうとカムバック進めてるなんて、私許せないの」

「…………」

「ごめんね。Aのためでもあるけど、私のためでもあるの。やっぱりテレビで出てるの見るとつらいし、苦しいしくなる。Aにも迷惑かけるかもしれないけど、許してほしい」

ごめんなさい、ともう一度謝ったオンニに、私は何も言えなかった。確かに私だってやられたことは許せないし、許したくもないけど、でも、そんなことしたら、本当に今度こそもう戻れなくなってしまう。

微かに抱いていた、元通りとまでいかなくてもただ誕生日を祝ったり、たまにご飯を食べたり、そんな時間を過ごせるようになれば、という願いが砕かれてしまうと思った。