Sparkle Ⅱ (ページ12)

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パリから帰ってきたスンミニはまたすぐにドームツアーがあるからと忙しくしていた。かくいう私も、まだ不安定なことが多いけど何とか仕事を始めて、忙しくしていた。

テレビ局で会う人会う人に「体調大丈夫？」と聞かれて「大丈夫です」というのも少し疲れてしまった。最近色々あったからインスタに何もあげていなくて、久しぶりに写真を数枚とそれとなく、私は大丈夫だとファンに伝えるように投稿した。

テレビ局から出るのにオンニとエレベーターを待って、ちょうど止まったエレベーターに乗り込もうとして、思わず身体が固まった。

「……リノ、オッパ」

「乗りますか？」

「あ、はい、乗ります」

オンニがそう言って、私と二人リノオッパとスキズのマネージャーさんがいるエレベーターに乗り込んだ。

そうだ、今日は土曜日でここのテレビ局はMBC。つまり、音楽中心の放送日でもある。リノオッパがいてもおかしくないと思ったけど、それにしてもやっぱり少しぎこちない。

「あの、この前はご迷惑おかけしてすみませんでした」

「謝らないでよ……俺も軽率に宿舎呼んだし、お互いのことを考えてもっと慎重になるべきだったと思う。こっちこそすみませんでした」

「オッパは悪くないのに……」

「お互いもっと気をつけるべきだった、ってことでおあいこ様ね。一番悪いのは、俺たちのプライベート張ってた記者だけど」

ニコリと笑っているのに全然かわいくない。むしろ怖くて絶対にこの人だけは敵に回したくないな、と密かに思った。

オッパは何かを言おうとして、悩んでやめてからスマホを取りだして、文字を打ってから私に見せてきた。

「スンミンとちゃんと仲直り出来て良かったね」

それを読んで思わず声が出そうになった。兄の顔というのか、さっきのような貼り付けた笑みではなく、優しく微笑んだリノオッパにぺこぺこと頭下げた。

エレベーターが到着して、また変な誤解が生まれても嫌だからと先にオッパたちが帰ることになった。ぺこりともう一度頭を下げて見送る。

いい人だな、と思う。ただ同じメンバーの彼女というだけなのに、こんなに気にかけてくれるなんて、やっぱり弟のことが心配なこともあるんだろうけど、感謝しないといけないなとおもった。