歳と身長差【東海オンエア】

#38 ページ39

…






嬉しい。






なんて気持ちよりも怒り、いや違う。




なんで今？

最近会わなかったのはほんとにそれのため？

私の事、本当に好きなの？

散々寂しい思いさせといて、今これ？

結婚なんて、考えられるほど、私に余裕はないよ？

というか、なんて結婚？







疑問ばかり頭に浮かんでくる。





その端っこに、ざわくんの「頑張っておいで」の言葉が頭に響く。









『……、ひとつ聞かせて？』




と「…？何、？」






不安そうなとしくんの顔。



きっと、すごく緊張しながらも言ってくれた言葉なんだろうな。






でも、でもね？









『……ライブの数日前に会った時、




誰と居たの？』








あの車に乗り込んでいた女性が気になって仕方がない。






と「…え、？」







あからさまに動揺している。




ああ、聞かなきゃよかった。





聞かないで知らないふりして、

可愛い純粋な女のまま、隣で馬鹿みたいに笑っていればよかった。









後悔した頃にはもう遅くて、









それでも付き合いたいなんて
一緒にいたいなんて、






思ってて。









と「…あっ」


声を上げるとしくん。




何か言い訳でも思いついたのかや？






と「わかった。

あれ、俺の母親。この、指輪買いに行くのに女の人の意見を聞きたくて…連れてってて」






『へ？』






お母さん？



お母さん綺麗すぎん？







『ほ、ほんとに？』






と「うん。びびった……俺、車に女なんか乗せたかやって……ﾊﾊｯ


不安にさせてごめん。俺、さ。





お前一筋で、マジでお前しか……見てないから。」







耳まで真っ赤に染めて。





なんだか、頭を埋めてた質問や疑問なんてちっぽけすぎて、




その言葉だけで救われた気がして。








と「…結婚…してくれるかや？」





『……うん。よろしくお願いします』









卒業まで、あと2ヶ月。









…

#39→←#37

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す