#雨の日 ページ4
…
と「はい、これサイン。」
ボールペンで書いたサインを渡すと、嬉しそうに笑った。
と「YouTuberになる？」
『やってみたいことの一つです。30代までならなんか、丁度いいじゃないですか』
そういうものなのかな…
先の事とかあんまり考えたことねぇや。
YouTuberって何歳まで続けてるんだろう。
『編集とかも難しそうだし…あれ、としみつさん、編集とかってしてますか？』
と「そりゃぁ…まあ、たまに」
凄いと褒められるけど、むず痒い。
『…YouTuberか、
あ、雨、止みそうですね』
彼女は、真っ黒で、まだまだ振り続ける雨を見上げながらそういった。
『それじゃあ、またどこかで。』
笑顔でその場を去っていったその子に、
名前を聞くのも忘れていたことを思い出して、
雨の中、飛び出す。
濡れたくなくて雨宿りしたくせに、
全身が濡れていくのがわかる。
と「待って！」
『…？』
振り返る彼女は濡れた髪を耳にかけた。
その仕草がなんとなく可愛くて、目が奪われる。
と「名前！…教えて」
俺の声に優しく笑った少女は、
口を動かした。
雨の中、その声は聞こえなかったけど、
『YouTubeみてて』
確かにそう言ったように見えた。
…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
芽柚(プロフ) - フラワーさん» ありがとうございます。なんとも嬉しいお言葉……！励みになります。 (2019年7月23日 17時) (
レス) id: 301fe0be56 (このIDを非表示/違反報告)
フラワー(プロフ) - 完結お疲れさまでした。不思議な終わり方ででもやけに心に残るお話でした。 (2019年7月23日 16時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：芽柚 | 作成日時：2019年7月21日 0時
