# ページ7
…
『トミー!そっち持って!』
私の引越しも順調に進んでいく秋頃、
何故か私の荷物と同じくらいのトミーの荷物が届く。
『私の家なのにぃ』
悪態をついても、帰ってこない言葉。
『不機嫌?』
『なんか言って?』
私が近づくと、トミーは泣いてる。
『ぎょえっ!???なんで??』
変な声出たわ。
なんで泣いてる???
『…?トミー?』
ト「A…………どこにも行くなよ?」
どこによ…
『それは出来ないよ〜!イベントだってあるし、
動画も撮るし、撮影に行くし、
あと買い物もコラボもする。』
ト「そうじゃなくて。」
ずずっずぅっと鼻水をすする音。
涙でぐしゃぐしゃのトミーがこっちをむく。
『いやだな…涙すごいよ?』
指でそっと拭えば、
いつもならつり上がってる眉毛が下に向いてる。、
困った。こんな顔、見たことない。
『…ちゃんと、ここにいるよ?』
ト「……」
もう何も言わないトミー。
きっとまた涙出てきてるんだろうな…
涙脆いなぁ。おじいちゃんみたい。
ト「たまに来るっていう俺より荷物すくねぇのおかしい。」
『前の家のやつ置いてきちゃった。』
ト「それだけ?」
『……うん。』
ト「隠し事はぜったいになしだかんな。」
『ふふ、困ったなぁ。』
トミーの目につかない月の裏側になら隠してもいいかな?
ト「隣にいてよ」
『…大好きだよ』
隠し事。
ナイショだよ?
私はあなたの目につかない場所にあなたへの愛情を。
あなたは私の目につかない大きな地球の上に、
小さな愛を。
…
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作者名:芽柚 | 作成日時:2019年7月7日 11時