･side 霊幻 ページ36
…
夢を見たんだ。
短くて
心を抉る夢をｰｰｰｰｰ
夢とは
起きるまで夢だと気づかないことが多い。
寝ている間、記憶を整理する脳が魅せるひとつの新しい世界、はたまた、第二の選択肢か…
☼+:;;;;:+☼+:;;;;:+☼
暗闇を照らす携帯の照明。
息が切れて苦しい。
どれくらい走ってただろう……、
Aは、どこに。
ふと、携帯以外の灯りが目に入った。
チカチカと点滅するソレを追いかけるように近づいていく。
新隆「しん……ごう？」
点滅信号が辺りを少しだけ色付けさせていた。
その先、ぼやっと薄暗くなる境目。
俯くAを見つけた。
新隆「っ！A」
車が１台、２台と通っていて渡れない。
ヘッドライトに照らされ、少し眩んで目を細める。
これじゃ、Aのところに行けないじゃないか。
歩行者用押しボタンを勢いよく押し込み信号が変わるのを待つ。
青になり、すぐさまAの元に駆け寄った。
新隆「え、おまっ…びしょ濡れじゃねぇか」
「早く帰ろう」って、
その肩に
触れて、抱き寄せて、
その手を掴んで。
伝えなきゃ、俺の気持ちを
ホントの気持ちを…
『霊幻さん。』
掴んだ肩は、いや、掴んだはずの腕は、
するりと抜けて行き、
Aは、俺を見上げた。
後ろから迫り来るトラックのライトに照らされて、
Aの表情はよく見えなかった。
『ｻﾖﾅﾗ』
ｰｰｰ
ああ、また夢か……
新隆「ﾊﾊﾊ､笑えねぇなぁ」
……
夢を見始めたきっかけ、
思い当たる節がないといえば嘘になる。
前にAを逃がす為、でっかい悪霊と面と向かって話した辺りからだろうか。(･3 師弟 参照)
あの時、あの悪霊は
悪霊「お前の心が見える、
美味そうな夢と、絶望が見えるぞ。
あの若いのが好きか、、そうかそうか。私にはわかるぞ？ さぞ辛かろう？
若いのの方は…そうか、
これは面白そうなモノを見つけてしもうたわ。
お前の命を助けてやろう。
代わりにお前の夢を頂く。」
どういう意味なのか分からなかったし、
“若いの”が指す先を誰か分かっていなかったのもある。
今ならわかる。
蓋をして、見て見ぬふりした己の気持ちが。
手に取るようにわかる。
ーーー俺は、Aが好きだ。
……
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芽柚(プロフ) - Lemonaめろんそーだ。さん» コメントありがとうございます！！これからもキュンキュンする作品作り頑張ります笑 (2019年2月8日 9時) (
レス) id: 301fe0be56 (このIDを非表示/違反報告)
Lemonaめろんそーだ。(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンしますね！！これからも頑張ってください！！ (2019年2月8日 7時) (レス) id: 50d9b31992 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芽柚 | 作成日時：2019年2月5日 11時
