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…
思った通り、帰ってきたエクボさん。
どこか様子が変だけど……?
新隆「…誰だお前。」
霊幻さんが私を庇うように前に出る。
エクボ?「…お前がここに連れてきたのか?
ここはどこだ。お前らは?」
『エクボさんじゃない。霊気がありません。』
私が小声で霊幻さんに伝える。
新隆「…先に質問したのは俺だ。
まずは俺の質問に答えろ。」
私の手を握る霊幻さんの手が、
少しだけ震えていた。
エクボ?「……わかった。
俺はある所の守衛をやっていた……もしかして、あの緑の働いてるっていう、、、
なんだった…れ、霊とか……爆発所?」
新隆「なんで爆発してんだよ」
霊幻さんが隙間なく突っ込み、安堵の空気が漂う。
『なんだ……中身は守衛さんか……良かった』
それなら安心だ。
新隆「問題は中身だ。エクボが、どこにいるか。」
『守衛さん、緑の、エクボさんから何か、聞いてませんか?』
じゃないとどうやってここに来たかわからない。
それに意味もなくエクボさんが生身の人間をこちらに寄越すだろうか?
あの人をわかっているとは言えないけど、
そんなことをするような悪い霊ではない。
守衛「いや、ここにはたまたま。
目覚めたら廃病棟の前だった。
近くのホテル探して、空きを聞いてたらこの部屋にたどり着いたって訳なんだけど。」
エクボさんが中に入ってないだけでこんなにも人が変わるんだな……
今のこの人、守衛さん本人は至って温厚派といった雰囲気だ。
『そう、ですか…』
新隆「となれば、その廃病棟の近くにいるかもな。」
『行ってみる価値はありそうです。』
明日の朝。出発する。
霊幻さんはそれだけ残して切羽詰まった様に部屋を出ていった。
守衛さん、怪我してる…
『……あの、ここ座ってください。
手当を』
警戒したように腕を組んで部屋の様子を見回っている守衛さんに声をかける。
守衛「いや、お気になさらずに。」
穏やかな表情。
いつもエクボさんが入った状態の時しか会ったこと無かったから知らなかったけど、
この人はエクボさんじゃないんだって、
違う、別人なんだって
改めてそう思えた。
……
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芽柚(プロフ) - Lemonaめろんそーだ。さん» コメントありがとうございます!!これからもキュンキュンする作品作り頑張ります笑 (2019年2月8日 9時) (レス) id: 301fe0be56 (このIDを非表示/違反報告)
Lemonaめろんそーだ。(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンしますね!!これからも頑張ってください!! (2019年2月8日 7時) (レス) id: 50d9b31992 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芽柚 | 作成日時:2019年2月5日 11時