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…
『…ここ、ですか?』
如何にも高級ホテル〜〜なところに来た。
イメージしてたオンボロの今にも壊れそうな旅館とは月とすっぽんだ。
新隆「荷物持っていくぞ、」
車を停めて、トランクから大きなカバンを2つ取り出した霊幻さんが部屋の鍵を受け取っている。
その後ろ姿を眺めてるエクボさんが話しかけてきた。
エクボ「このホテルもかなりやばそうだな」
そう、このホテルにはホテル全体を取り巻く大きな悪霊がいる。
『小物も多いけど…厄介だし、除霊しておく?』
エクボ「いや、霊幻が来てからにしよう。上司への報告は行動の前にってヤツだ。」
「風呂もでけぇかな」なんて呟いてるエクボさんを追うようにして私もそのホテルに入っていった。
新隆「まずはゆっくりするか。」
エクボ「おい霊幻、のんびりしてる暇はなさそうだぞ。」
部屋について早々にエクボさんが切り出した。
『何となく、、、だけど。
この島、全体的に呪われてるのかも。
三下から上級まで……至る所にいますよ』
エクボ「さっさと除霊しねぇと、痛い目に逢う。」
霊幻さんはエクボさんと私の言葉に「そうか」と答え、少し考え込むように黙った。
新隆「……親玉は見つかりそうか?」
エクボ「上級悪霊を手懐ける様なヤツだ。そう簡単には姿を現さねぇだろうな」
『とりあえずは、このホテル。どうにかした方がいいと思います。』
嫌悪感で気分が悪くなってきた私は、2人にそう告げた。
新隆「そんなにでけえのか?」
『同じ部屋とかありえない』
お忘れかもしれないが、立派な成人男性二人(一人は悪霊)が無垢な未成年女子と同室だなんて有り得ない。
エクボ「残念だがそれは、聞き入れられねぇな」
エクボさんがヘラりと笑う。
『どうして……』
エクボ「言ったろう、悪霊がうじゃうじゃと漂う島だぞ。
俺様はお前さんも、霊幻も。傷つける訳には行かねぇ。傍に、置いておきたいんだよ」
いつ何が起きても対応できるようにな。
そう付け足したエクボは、私の頭を大雑把に撫でた。
新隆「まあ、つまりはそういう事だ。
安心しろ、従業員に手を出すほど俺は馬鹿じゃない。」
『…それなら、仕方ないですね』
心配されているのなら、
嬉しいと思おう。
……
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芽柚(プロフ) - Lemonaめろんそーだ。さん» コメントありがとうございます!!これからもキュンキュンする作品作り頑張ります笑 (2019年2月8日 9時) (レス) id: 301fe0be56 (このIDを非表示/違反報告)
Lemonaめろんそーだ。(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンしますね!!これからも頑張ってください!! (2019年2月8日 7時) (レス) id: 50d9b31992 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芽柚 | 作成日時:2019年2月5日 11時