最終回・ 夢見たふたり ページ29
・
夢とは、
人間が無意識のうちに脳に入った情報、記憶を
寝ている間に整理する時に見られる現象。
無意識の中での記憶整理、
そこから得られた情報から予想されたものを、仮に
『記憶予想』とさせていただきます。
記憶予想は起きている間に考えることよりも遥か上の知能が働いているため、
予知夢、正夢などが存在していると考えられます。
……
暗闇の中、点滅する信号を目の前に何故か立ち止まってしまう。
弱い自分に心底落ち込んでいるのだろうか、
私は頭のてっぺんから濡れた体をぬぐいもせず、
どこに向かっているのか、
いつの間にやら足が止まっていた。
車どころか、人っ子一人いやしない、
真夜中の交差点。
気を紛らわすために霊の気配に近づいて行った。
霊幻さんが私の事を好きになるわけがない。
分かっていた事実だ。
メソメソしても仕方が無い。
視界がぼやける。
ぱっと信号が青色に変わる。
はっと顔を上げれば対向車線に人影。
『、、、』
悪霊かと思ったが、そこから現れたのは霊幻さんだった。
新隆「何してんだよ、こんな所で。
風邪ひくぞ。」
心配そうな顔をしている。
上っ面だけなのか、子供としか思っていないのか…
『大丈夫、帰って』
新隆「…っ」
その手をはらい、山を目指し歩き進む。
新隆「っ!Aっ!!」
視界がぼやけて見えなかった。
夜目には光が強すぎた。
言い訳はいくらでもある。
ただ、その時、言葉も出ずに迫り来るトラックを
避けることが出来なかったのだ。
ドンッ
鈍い音と共に私は目を覚ました。
車の補助席からエクボさんが降りていったようだった。
『夢?』
運転席にいる霊幻さんがこちらを向く。
新隆「?A、起きたのか?」
『すいません、寝ちゃってて…エクボさんは?』
背中を追うように目線を車の外に向ける。
春がきた暖かい日差しがエクボさんの背中を隠すように光っている。
新隆「すぐ帰ってくるだろ…気にすんな
ンな事よりお前、、、顔色悪いぞ?どうした?」
顔色?気持ち悪くは無いし、頭痛もしない、
酔った訳ではなさそうだ。
『あ、なんか……夢を見た…気がする。』
なんでだろう…もう思い出せないや。
新隆「…夢、か」
…
50人がお気に入り
「短編集」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
芽柚(プロフ) - Lemonaめろんそーだ。さん» コメントありがとうございます!!これからもキュンキュンする作品作り頑張ります笑 (2019年2月8日 9時) (レス) id: 301fe0be56 (このIDを非表示/違反報告)
Lemonaめろんそーだ。(プロフ) - めちゃめちゃキュンキュンしますね!!これからも頑張ってください!! (2019年2月8日 7時) (レス) id: 50d9b31992 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:芽柚 | 作成日時:2019年2月5日 11時