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you side
「お姉ちゃん？」
妹の小町の声ではっとする。ぼーっとしすぎていた。今何時だ？
机に置かれた時計は午後6時を指していた。夕飯を作る時間は大幅に過ぎている。
部活から帰ってきたであろうジャージ姿と少し乱れた結われた髪の小町。
「ご、ごめん！今からご飯作るから」
「そんな焦んなくていいよ。これ、買ってきちゃったし」
そう言ってイタズラに笑った小町の横で揺れるワクドナルドの袋。
成長期の小町にそんなジャンクフードで済ませるのは如何なものかと思ったがたまにはいいかと2人で1階に降りた。
テレビをつけて机の上に私と小町の好きなバーガーセットを広げる。
久しぶりに嗅いだこの油っこい香り。それでいて食欲を刺激する魅惑の匂い。
外気の熱で水滴が生じてるドリンクにストローを差し込んで口に運ぶ。
「お姉ちゃん疲れてるの？」
「そんな事ないよ。音楽聞いてたら時間過ぎてただけ」
「そっか。でも、最近バイトの時間変えたりしてたから何かあったのかなって」
我が妹ながら中々鋭い。よく人を見ている。だからこそ、この子には人が集まるのだろう。
昔から母が私達に口酸っぱく言っていたことだ。
人を見て人を見極めなさい、と。
小町は私とは違って要領よく人との関係を築いて行った。
私は人を見すぎて勝手に自分の中で自己解釈して関係を遮断した。
だけど、私はそれを悪だとも苦だとも思わないし感じたことは無い。ずっとそうして生きてきた。
多分これからも変わることなく死ぬまでずっとそう生きていく。
そんなことを考えていた私に小町は1つの爆弾を投つけた。
「小町、お姉ちゃんの高校受ける」
「えっ？」
掴んでいたポテトが指から滑り落ちた。
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作者名：かか | 作成日時：2022年5月2日 23時
