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普段と変わらないはずの教室内なのに耳を塞ぎたくなる。
「でさ、取れましたかねってつって俺の絡まった髪取ってくれたの。やばくね？」
「ぜってぇ男慣れしてんじゃん」
「んな事ねぇし」
灰谷竜胆とその友達が話をしているのだ。しかもその話の人物である私の隣で。
こんな体験多分生きていて1度も経験することが出来ないだろう。だけど、それは今して欲しいわけじゃない。
というか、一生されたくない。第三者からの自分のマイナス発言を聞くなんていい気分になるわけが無い。
早くこの時間が過ぎればいいのに。7限目の謎のHR。特に何をする訳でもないのなら早く帰らせてくれ。
(シフトずらそうかなぁ)
そんなことを思った。だけどそれと同時に彼の気になってるその女が私だと言うのかどうか。
まぁ、言えるわけなんてないのだが。友達もまともに居ない私が学年一のヤンキーに話しかけることなんて無理な話。
だけど、いつかは言わなければならない。バレるのも時間の問題かもしれない。
だが、この状況を打破する方法がある。それは彼が私以外の誰かに興味を持つということ。
けど、入学してから彼を上辺だけだが見てきた。彼はあまり異性に興味を持たない。
体だけの関係を持つ女性の噂は何度も聞いたことがあるがそれ以上の噂は聞いたことがない。
改めて考えればその方法は些か無茶な話なのではないだろうか。
クラス替えのないこの高校で興味のない人だったとしても多少はその人のことを知ることが出来る。
それを踏まえて彼は私の外見を見て気になった。となれば、バイト中の私以上の女性と関わるべき。
そんな人たくさんいるはずなのになぜ私なのだろう。全く理解ができない。するつもりも無いが。
だが、流石にそれが自分のことになるのなら話は別だ。もっと美人と付き合ってくれ。私の事なんて興味を持たないで欲しい。
ただのしがないCDショップのアルバイトなだけなんだ。
「つかさ、その人と付き合いたいわけ？」
「んー…」
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作者名：かか | 作成日時：2022年5月2日 23時
