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浴室から戻ってきた照に言われたので私も浴室に向かう。そんなに時間もかからないのですぐ上がる私。携帯を確認すると翔太からも連絡が届いていた。
『Aさんやっと名前で呼べたの嬉しかったよ。楽しんで。』
意味分からないり翔太の事は一生分からないんだと思う私。
照が辞めたらあの店に行くことは本当にないと思うし、もうすぐお別れかもしれない翔太からの連絡を既読を付けることなく携帯を閉じた。
「翔太と連絡とってんの?」
「普段は取ってないよ、今日珍しく来たくらい」
「ふーん。A翔太が好きなの?俺より可愛げあんだろ、翔太」
「そんな訳ないじゃっ…んっ」
照からの乱暴なキス。嫉妬に狂った様ないつもしてくれる様なものじゃなくて激しくて息も出来ない照の身体は鍛えられていて肉体美という言葉が似合う。
「ちょっ…まっ…はげしっ……」
「翔太とも外で会うんだろ?もっと気持ちいいの?何?」
「会ってないからっ…私照しか…」
翔太とは歌舞伎町の外で鉢合わせたことならあるけど2人でどっかに行ったことも同伴もアフターもしたことだってない。
「A、脱いで。」
遊戯する時だけは私のいい所を知り尽くしてるかのように動いたり攻めたりする照。
そんな所も私にとっては大好きな所で狡い人なんだ。
「今日、悪かった」
「何が?」
行為が終わると上裸のまま煙草に火をつける照。
今日はなんだか寂しくてそんな照に近付き後ろから抱き締める。
「珍しいじゃん、Aどうした?」
「なんか、このまま照が居なくなっちゃいそうで」
「居なくなんねえよ。辞めて精算したとしても俺はAだけはこれからも大事にしたい。」
そうやって狡い事をすぐに言う。
辞める日はまだ決まってないけど暖かくなる頃にはもうラストイベントをするつもりだと教えてくれた。
「俺がなんで辞めるか分かる?」
「ちゃんとした仕事先見つけたからじゃないの?」
「ちげーよ。それは上辺の理由」
上辺じゃない本当の理由なんて私に分かるわけがなかった。
別に脳がある訳でもないし、そこら辺の女の子よりも知能が低いんだから。男の人とお酒を飲んで連絡取って色恋してお金を稼いできた私にとって上辺じゃないものなんて見たことがなかった
「本当に守りたくて大事にしたいって思う人が出来たから。」
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作者名:はる | 作成日時:2020年3月28日 4時