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「じゃあ、もう私とも終わりじゃん」
何故か涙が出てきた。もうAとの関係はこれで終わりと照から言われてるようで、今日が最後だからと言われているようで。
「ここまで言って分かんねえの？Aは本当の馬鹿？」
「そんな事言われてもっ…ん」
さっきとは違う優しい口付け。壊れそうなものを包み込む様な優しいキス。照は私に色んなことを教えてくれた。私だって照から取った営業の方法だってある。
「俺の守りたくて大事にしたい奴って、Aだよ。Aの為に辞めたいと思った。
俺がこの店にいる限りAはお金を稼ぐ為に自分の店も辞めないし自分のことすり減らせ続けると思ったから。
だから俺はちゃんと昼職で稼いでAと一緒に居たい。もうお客とキャストじゃなくて、Aの彼氏として隣に居たい。」
「今まで私の事好きなんて素振り見せなかったくせに…」
「それを見せたら終わりだと思った。Aだって同じ仕事みたいなもんだし全部色恋で片付けられると思ったから。」
確かにそうかもしれない。いくら照が私に振り向いてくれた素振りを見せても仕事柄全部色恋と判断してしまうかもしれない。
そんな事まで考えてるなんて思ってなかった。
「ふっかには全部言った。周りの黒服は俺が昼職で生きていくだけだと思ってるけど、ふっかにはAの気持ちも今Aに伝えた事も全部伝えて理解もしてくれた。」
「照…」
「だからAも今すぐにとは言わない。タイミングを図って仕事辞めて欲しいんだ。俺以外の奴に笑いかけてるAなんて想像したくねえ。」
「分かった。私も辞める…」
話が終わって今までとは違う気持ちになった。こんなに幸せな気持ちになったのは初めてだ。
徐に照がまた煙草に火をつけたので思わず私も言ってしまった。
「ねえ、照1本頂戴。」
「A吸えねえだろ」
「照の煙草の匂い好きなの」
照はそう言いながら私に煙草とライターを渡してくれた。
だけど私はそのライターを使わず照が咥えている煙草に自分の咥えている煙草を近付け火をつけてみた。
煙草の火がジワジワと着いてくるの分かる。
普段は吸わない煙草。今後も吸わないと思っていた煙草。
照の匂いを感じれた。だけどやっぱり私には煙草吸えなくてむせてしまった。
「やっぱり煙草美味しくない」
「じゃあ吸うなって。」
＿＿＿＿＿
「A、これからもよろしくな。」
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作者名：はる | 作成日時：2020年3月28日 4時
