【ハリーポッター】吸血鬼少女とバレたよう【５章】 (ページ8)

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玄関先ページ8

『リーマス、やっぱり行ってしまうのですね？』

大きなトランクと水槽を持った彼を見つけて、私は声をかけた。

「うん、周りに知られたから、いつ親からの苦情が来るともわからないからね。」

眉を下げながらリーマスはそういった。
しょうがないと言いたげだ。

私は幸運にもこれからの在学も許可された。
でも…
罪悪感で胸がきゅっと痛む。

『またうちにも遊びに来てくださいね？』

「うん、私は君の管理下にあるし、それなりに君にお世話になると思うからね。
また君のところにも遊びに行くよ。」

リーマスはしわのある顔をもっとくしゃくしゃにして笑った。

薄いコートを羽織り、玄関前にまつ馬車に乗り込む。
荷物は去年見たロックハートの時より圧倒的に少なく、その痩せた後ろ姿は痛々しい。

壁にもたれかかっていたレギュラスがゆっくりとこちらへやってくる。

「そう悲しそうな顔をしないで。
また会えますから」

私の頭をくしゃくしゃ撫でて、城の内部へと続く廊下を数歩すすみ、振り向く。

「ほら、A、行きますよ」

廊下の奥の中庭から入る陽の光がレギュラスを照らし、幻想的に見える。

軽い音を立てて彼に駆け寄る。
ふいにくすっと笑みが漏れれば、レギュラスに小突かれた。

『レギュラス、この夏休みはシリウスのところ行きましょっか』

彼はさわやかな笑みを浮かべ、いやだと言い切った。

　
　