誤解 ページ2
「だから、スネイプは貴方が嫌いなんだ。」
「その通りポッター。」
透明マントを脱ぎ棄て、ドアの横にはセブルスとレギュラスが立っていた。
今まで気づかなかったなんて、どういうことだ。
気配には人一番敏感だと、自負しているというのに。
「兄さん、Aから離れろ！」
セブルスはリーマスに、レギュラスは私の隣に座り込むシリウスに杖を向けた。
ハリーたちが息をのむのが聞こえた。
『なぜ、ここに…』
「貴女が帰ってこないのでセブルス先輩のもとへ行き、ついでなのでルーピンのところへ薬を届けに行けば、"貴方たちが作った地図"が置いてありまして。
みれば貴女と責任をすべて僕に擦り付けて出て行った最愛のお兄様がいるじゃないですか？」
闇をも飲み込みそうな、うつろな目で私を見るレギュラスは、恐怖と同時に悲しみを感じさせた。
同時にセブルスもリーマスたちに何か言っていたようで、大きな爆発音をたて、リーマスを縛り上げた。
『ムーニー！』
杖をハーマイオニーに渡した私たちはもう丸腰で、咄嗟のことに彼ら２人を止めることはできなかった。
レギュラスも、シリウスに何か呪文をかけようと杖を構える。
私はチョーカーにつく黒い十字架のチャームをひきちぎり、それで指の先を傷つける。
すぐさま魔力が満たされ…イメージするなれば、供給経路が開かれた感じ。
床に手をつき流れる血にレギュラスとセブルスの場所を意識して命令を下せば二人の体は麻痺する。
がくりと崩れ落ちる二人を横目に、床に落ちた彼らの杖を部屋のすみへ蹴り飛ばし、ハリーたちとシリウス、リーマスと屋敷の外へつながる通路へと空間移動する。
魔力を短時間に大量消費した私の息はとぎれとぎれで、バクバクと、心音がほかの人にも聞こえるのではないかというほどうるさい。
少しの魔力をのどに流して、喘息の発作を防いでいるも、次に何かハプニングがあれば完全に危ないことが予想される。
『この、ネズミの正体を、３人に…』
リーマスは私を心配そうに見ながらも、暴れるネズミをロンから受け取り、ハーマイオニーに返してもらった杖で術を解く。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2017年9月8日 7時
