叫びの屋敷 ページ24
『セブルス、ちょっと首をかじらせてください。』
唐突に言ったのが悪かったのか、セブルスは眉間にしわを寄せて、デコピン第二弾を構えた。
『叫びの屋敷をちょっと、視てみようかと』
少し疑うような目で見て、しょうがあるまいと手首のボタンをはずし始める。
貧血で倒れられても困るからな、とセブルスはそう理由をつけた。
上から冷ややかな目線とともに彼は左手を差し出してきた。
やけていない、不健康なまでに白い肌だ。
トクリトクリと血管が赤く浮き出て見えるとともに、犬歯がとがり、伸びるのを感じる。
『失礼します』
――――――
「もう、いいのか？」
『ん、視界を飛ばすのには十分ですので。
それにあまり多く吸うとあなたもつらいでしょう？』
さほど、と答えて、彼は手首の噛み傷を杖で撫でて消した。
『では、ちょっと視界を飛ばしましょうか。』
セブルスの額に星を描き私の目とリンクさせ、私は左手を叫の屋敷の方へ向ける。
キィン、と少し耳鳴りのような音ののち、私たちの"目"は叫びの屋敷の上空数十メートルにいた。
屋敷を透すように見える私たちの目はすぐにシリウスと思しき影を見つけ、効力はそこで切れてしまった。
「…酔うな。」
眉間に指をあてて、彼はつぶやいた。
『慣れないうちはちょっとね…
私もあまりこの能力は乱用したくないものです。』
「この一連のことはとりあえずは我々の秘密だ。
ブラックも、本当に殺人鬼なのか、断定するには早い、不確定要素が浮き出てくる。」
とはいえ捕まえて復讐しないのは不本意なのだが、といい、彼は階段のほうへと向かっていった。
『まあ、シリウスのもとへ行って無実を証明するにももう少し証人と、証拠がほしいですからね。』
腐った魔法省をぶっ潰して乗っ取りたいな、なんて考えが殺気として出ていたのか、セブルスが頭をポンポンと撫で、あまり考え詰めないで我輩も頼れ、と言った。
本当に、私が知ってしまった原作を忘れられたら、どれだけ楽だっただろう。
ぐるぐると考えてしまう思考に句読点を打つように私は明日の朝ごはんのことをとりあえず考え始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやにゃん(プロフ) - 架印�靴気�» 架印III様、誤字の指摘ありがとうございます！自分ではなかなか気づけない物で…申し訳ありません。 (2020年9月23日 23時) (
レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 喘息のページ。今更感半端ないですが、“ビックバーク”じゃなくて“バックビーク”です。 (2020年9月23日 22時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
あやにゃん(プロフ) - スカイさん» コメントありがとうございます♪ 貰えると心の支えになります((´∀｀*)) (2017年6月23日 7時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
スカイ - とっても面白いです！頑張ってください！ (2017年6月22日 20時) (レス) id: 1e805a494b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやにゃん | 作成日時：2017年1月1日 0時
