入学準備 ページ8
「ごめんなさいねMrディゴリー…魔法省に入ってからまだあまりたっていないでしょう?」
「いえ…でも私がこのような役職に…ダンブルドア先生の推薦とはいえ」
ホグワーツを良い成績で卒業してそのまま動物課にはいった期待の新人。らしい。
最近のぽっちゃりとしたエイモス・ディゴリーではなく、まだ若いからかスマートだ。
ブラウンのスーツのすそを握りしめ、魔法省の高官の印を持ったAを前に少し震えている。
書類やらいろいろの引継ぎを終わらせて、Aはダンブルドア先生に連れられて子供の姿でダイアゴン横丁に向かった。
魔法役を飲んで体を縮めているのかと思えば、この時は吸血鬼としての魔力がまだたくさんあったのか自分で体形を変えているようだった。
「杖って…あまり考えたことありませんでしたけどいろいろ種類があるんですね。」
天井まで届く壁の棚いっぱいに積みあがった箱を見上げて彼女はそう言った。
「Aはそれまで魔法を使ったことなく魔法省にいたってこと?」
ハリーは恐る恐る聞いた。
「…えぇ、たまに魔法省にいるんですよ。マグルでも魔法使いでも魔女でもない異種族。
でも相当血筋がいいとか優秀でないと入れないし、Aのようにあそこまで実用性がある高い役職に上り詰めるのは極めて難しいことですよ。」
「ということは実用性がない高い役職もあるってこと?」
「まぁわざわざ魔法省に来ている異種族の貴族を新卒と同じ扱いをするわけにはいかなかったのでしょう。
でも役職がついているだけで実権はほとんど持っていなかったと思います。」
その答えにハーマイオニーは少し不満そうにうなずいた。
この制度に不満がある人間は少なくない…でもそんな高い役職に、そもそも魔法省に異種族の貴族がいることって知られていないのであまり問題にもならないのだ。
「漆の木にユニコーンの鬣」
「頭脳明晰なMiss天羽にぴったりな杖ではないかな」
ダンブルドア先生は孫を見るようにやさしくほほ笑んだ。
「でもユニコーンだなんて…たくさん人を殺してきた私に扱えるかどうか…」
「じゃが殺した分、助けもしてきた。
そうでなければその杖はMiss天羽を選ばなかった。わしはそう思うのじゃ。」
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あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時