提案 ページ7
ーレギュラス視点ー
僕がAと出会ったのは多分ホグワーツに入学して少し経った談話室で、だと思う。
だと思う、というのは正直に言うと最初の方はAをそこまで認識していなかったからだ。
曰く、元々住んでいた日本ではAはほとんど人形扱いで、そしてこちらに来てからも勉強やら仕事がいっぱいで引きこもりになったりと…いろいろあったらしい。
半分くらい体が透けている僕たちはゆっくりとお屋敷の執務室にこもるAを見下ろす。
僕が取り込んだ彼女の心臓が持っている記憶なのだろうか。僕が知るはずもない今から400年前までの間のいつかのAが目の前にいる。
夜会でダンスをしていたり、魔族の長たちと会議をしていたり、魔法省の任務をこなしている姿。
走馬灯のようにたくさんの彼女が流れていく。
「Miss天羽、折り入ってお話があるのじゃが」
少し懐かしい声が聞こえた。
去年セブルス先輩が殺して、Aが塔から突き落としたダンブルドア先生。
30年ほど前の記憶なのでそれなりに若く見える。
若いといっても80前後はいっているだろうけど。
「Mrダンブルドア、また魔法生物のことで何か?」
きっちりとまとめた髪は多分肩下くらいの長さだろう。
顔には似合わない大きなメガネがあり、全体的な印象は暗め。
「いや、幸運なことに校長をさせてもらっているホグワーツ魔法魔術学校のことでな。」
「あぁ、そういえば魔法生物についての申請が出ていましたでしょうか…」
「それもあるのじゃが…どうじゃMiss天羽、もしよければ魔法を勉強しては見ぬか?」
疲れ切った眼でAはダンブルドア先生を見上げた。
少し時間が飛んだようで、話し合いの末入学することが決まったようだ。
仕事があるからあまり屋敷を離れたくないのだけれど、と彼女が恨めしそうに腕に抱える書類を見ながら言えば、先生は緩くほほ笑んでセドリックの父親、エイモス・ディゴリーの名を彼女に告げた。
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あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時