検索窓
今日:14 hit、昨日:18 hit、合計:15,564 hit

複雑 ページ33

ーパンジー視点ー

ひどい音がして、私は救護室に被害が及ばないようにと防衛魔法を張りに古い教室を出た。
再び攻めてきた死喰い人の軍勢は城を破壊しているのかあちらこちらから崩れる音がする。

逃げ惑う生徒に声をかけて、避難させる。
追ってくる死喰い人がいれば応戦し、罠を仕掛ける。


見覚えのある栗色の巻き毛の女子が目に入った。
後ろからの追っ手にまだ気づいていないようで違う方向の敵と杖を交じらえている。

「ステューピファイ・麻痺せよ」

赤い光線を頭に命中させて、彼女の背後に立つ。

「貴女!」

私に気づいたグレンジャーはもう一人の敵を倒し終えたようで、驚いたように目を見開いた。


「なによ、助けたら悪いかしら?」

「い、いえそんなつもりじゃ…
ありがとう。パンジー・パーキンソン。」

「…フルネームじゃなくてもいいわよ。昔のお茶会のときのようにパンジーって呼んでちょうだい。」

「私も、昔のようにハーマイオニーと呼んで。」


どうしてここにいるのかと聞こうと口を開けば向こうの廊下から飛び出してきた死喰い人が目に入る。

「一人で何かをするより二人のほうがいいわ。
共闘しましょう。」

そういえば彼女も同じことを思っていたのか頷いた。


元々性格が少し似ているのは知っていた。
おせっかいな気質があって、勉強が好きで。
Aと仲が良くて、でも彼女は英雄の親友。私は悪のスリザリン寮生。

何がとは言わないけれど、少し気まずくて、なんだか心を許しきれない

 
背中を合わせて戦うのが初めてではないかのように息がぴったりなのがなんだか逆にもどかしい気分になった。

もっと立場がどうでもよい世の中だったら、より近しい友人になれたかもしれないのにだなんて、そんな思考をかき消すために目の前の敵に大声で呪文を放った。
 
 

指令室→←救護室



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。