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衝撃 ページ4

ぐらりとレギュラスの体が揺れた。
それもそうだろう。これだけの魔法を立て続けに行使したらそれこそ普通の魔法使いでも疲れる。ましてや吸血鬼に体が変わっている途中ではどれほどの負担だろう。

僕は支えようと彼に手を差し出せば、レギュラスは右手を叩き落とす。
忌々しいものを見るような目で僕をにらみつけて、息を吐いた。


「よくそんな体で僕に触れようと思えますね、ハリー」

意味が分からなかった。
こんな体…分霊箱だからとでもいうのだろうか?

「帝王の加護がかかっていて、不快なんですよ。」

「ちょっと、加護ってどういうこと?
あいつはハリーを殺したがっているんでしょう」

少し声が裏返りそうになっているハーマイオニーが僕の代わりに質問をした。
…僕には言わんとしていることが分かった気がした。

僕が、やっぱり分霊箱だから。

吸血鬼の嗅覚はきっと僕の中にあるヴォルデモートの魂をとらえてしまっているのだろう。

レギュラスは面倒くさそうにハーマイオニーを見下ろした。
ひるんだ彼女は隣に立つロンの腕をぎゅっと握り、両目にうっすらと膜が張る。


「…道案内のお礼ということで、すこしくらい教えてあげましょう。」

すっかり忘れていたという風にレギュラスは大股にハーマイオニーに近づいた。
ロンは震える右手で杖を構えるも、見えていないかのように彼は彼女の腕の傷の上から手をあてる。


一瞬苦痛に顔をゆがませたハーマイオニーは傷があった場所とレギュラスの顔と視線を行き来させた。


「…道案内って、まさかわたし…」


「はい、Aがつけたその呪いを頼りにホグワーツの場所が割り出せたんです。
そうでなければこの太古の認識阻害術がかけられた城を探し当てるのは困難な話です。」


ハーマイオニーの目から何かがごっそりと落ちた気がした。


…あの大規模な軍隊をこのホグワーツの敷地にいれる手伝いを、もちろん意図的にではないけれど、してしまったというのは…

それはつまり、この戦いで命を落としたすべての人間の責任があるようなもので…

 
ハーマイオニーは両手で口をふさいで漏れ出る嗚咽を抑え込む。

 

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あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時

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