検索窓
今日:2 hit、昨日:18 hit、合計:15,552 hit

起点 ページ30

右手に握りしめていたありったけの防御魔法を籠めた魔法石を生徒側に投げ、魔力を放出する。

同時に左手にAの杖を握り、どうにかちゃんと発動してくれと願いながらポッターに向けて盾魔法を張る。
近くにいるヴォルデモートにはその効果がないように、できるだけ正確に。

それと同時にレギュラスが爆発魔法を作動させた。
元々何かしらを仕込んでいたのか、それとも周りに気取らせないように巧妙に術式をくみ上げるという難題をこなしたのか。

どちらにしろ一瞬で城の中庭の石畳は裏返り、煙に包まれた。

ガラガラと音を立てて崩れる一部の天井の音に紛れて橋のほうから無数のケンタウルスやらの足音が聞こえてくる。


戸惑いの声があちこちから上がり、先生やまだ冷静な監督生が城の中に戻るように指示を出す。

ヴォルデモートが一気に煙を払えば地面に横たわっていたはずのポッターが消えており、おそらく人ごみに紛れて中へ入っていったのだろうと自己完結した。

僕はといえば軽く魔力切れを起こして荒く息をするのみだ。
幸い小さな塀の裏に隠れれば中庭からは死角で、混乱しているこの状況の中、僕の気配に気づいている人などいなかった。


壁にもたれながら巨人の攻撃がベランダまで届かないことを願いつつ、懐の試験管を手に取る。

自分の魔力をためておいた石はもうすべて使い切ってしまった。
時間はかかるし、効率は低いものの飲まないよりはましだ。

さっき一瞬会ったダフネが持たせてくれた魔力回復薬を一気に3本飲み干す。


薬草の苦みと実の酸味。
それに加え何かの黒焼きの粉が喉に張り付いて気持ち悪い。


でも戦場で魔力切れを起こすというのは死に直結することともいえる。

 
戦いは中庭から大広間へと移動したようで、ホグワーツの中からくぐもった大きな音が響いてくる。

二つ目→←決行



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。