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確認 ページ25

ーレギュラス視点ー

ハリーが緑色の閃光に打たれたと同時に帝王は目がうつろになって崩れるように地面に手をついた。
哀れだ。

知らず知らずのうちに自分の立場を危うくさせていく。

ベラトリックスは隣に夫のロドルファスがいるにもかかわらず、恋人に話しかけるような甘い声で帝王を呼んだ。
もっとも、夫婦関係などとうの昔に崩壊しているし、この前できた子だって公式上の夫との間ではなく帝王との間だ。
僕からすれば…どうして離婚してしまうとか、何らかの行動を起こさないのかが謎だ。
そうすればロドルファスだって気兼ねなくほかに女性を作ることだってできるはず。

…知ったことではないけれど。


「レギュラス、お前…」

ベラトリックスが僕に助けを求める声を出した瞬間、帝王は左手で顔を覆いながらゆっくりと立ち上がった。
どうやら僕の手助けなど必要ないようだ。もちろんするつもりもなかったが。


「もうよい」

ざわめく死喰い人の声が一瞬にしてやんだ。
ベラトリックスもかしずいて、そのまま頭を垂れた。

帝王はいまだ同じ体勢で肩で息をしている。
ちらりと倒れているハリーを盗み見て、忌々しそうに死亡確認をするように吐き捨てた。

その圧に耐えかねてほとんどの死喰い人は一歩、二歩と後ずさる。


「僭越ながら、わたくしが…」

ナルシッサは長いドレスをつまみ、小さくお辞儀してから動かない彼のもとへといった。
首に手を当て、もう一度確認するように耳を体に近づけた。


「死んでいます!」

そう彼女が宣言したと同時に、歓声が上がる。
安堵と勝利の喜び、それらが合わさった感情だった。
 
 
 
なぜ僕が。

そう思いながら僕はハリーを抱き上げる。
こんなこと、人質として捕まっているハグリッドにやらせればいいのにと思いつつも…

明らかに生きているハリーを横抱きに死ながら森を進む。
彼の切り傷から流れる血にはもう嫌悪を感じない。それは彼の魂が完全にヴォルデモートのものから解放されたことを意味していた。
 

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あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時

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