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先へ ページ24

「僕は帰らなければいけない。
そうなんですよね。先生、A。」

「君次第じゃよ。
ここはさっき…キングズ・クロスに見えると、そういったな?

さすればきっと、先へと行けるだろう。」


僕次第。

先へ。
どこへ…?

でもたぶんそのことを聞いたとしても先生もAも答えてはくれないのだろう。


また沈黙が流れた。


「ヴォルデモートは、ニワトコの杖を手にいれました。」

「さよう。
じゃが同じほど歴史ある杖がもう一本、ある。」

歴史ある杖…マルフォイが持つ、元々はAが持っていた杖。


『あの杖は決して強くはないし、帝王と対峙するような無茶には答えてくれないでしょう。
でも、きっとドラコなら活路を開いてくれるはずです。』

Aは優しい声でそう言った。


あぁ、ここを出たくない。

ダンブルドア先生の安心する声色と、Aのその笑み。

この場所を去ることは禁じられた森に、死ぬ為に入っていったときに比べれば難しいとは言えない。
でも、ここは暖かく、優しく、明るく、平和で、何より失ってしまった僕たちの力の象徴が二人いる心強い場所。

戻っていく先には痛みと絶望と後悔が必ず待っている。


 
僕たちはゆっくりと椅子から立ち上がった。


ダンブルドア先生をみてからゆっくりとAに視線を移した。


『レギュラスに…私に会ったとは、言わないでおいてください。
それにハリー、次こちら側に来るのは、もう少し先でお願いしますね。』


Aとダンブルドア先生は晴れやかに僕に笑いかけた。

靴がまだ見えるくらい浅かった靄はいつの間にか腰の高さまで濃くなり、さらには去っていく二人の姿を消し始めた。


「最後に一つだけ!

これは現実のことなのですか?
それとも、全部、僕の頭の中で起こっていることなのですか?」


もう輪郭くらいしか見えなかったものの、二人の声ははっきりと僕の耳に届いた。


「もちろん、君の頭の中で起こっていることじゃよ、ハリー。」

『でもここは魔法の国。
だからと言ってどうして現実ではないと言い切れるのでしょう?』
 
 
 

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あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時

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