今後 ページ19
周りは息をのんだ。
上級貴族数人はことを予測していたのか、それとも予知できていたのか、あまり驚いた風ではなく口をつぐみ、そのまま周りを見ている。
中席、末席といわれていた数人は明らかに動揺しているようだった。
「もちろん僕は誰にも何をも強要するつもりはありません。
Aもそれは望まないでしょう」
そういい、僕はこの場を去ろうとする。
セブルス先輩を引き連れて別の場所へと考えるや否や、微量の殺意を感じた。
正確に言うと殺意…というよりは魔力の動き、というのだろう。
まったく吸血鬼というのはこんな些細なことまで感じ取っていたのか。感覚が鋭すぎてすぐに疲れてしまいそうだ。
足に力を込め、襲い掛かってくる奴らの攻撃を避けて背後に降り立つ。
なれない体でこんなことをさせないでほしいし、こんな時に内部分裂なんてしないでほしい。
明らかに心臓がある部分を狙ってきた末席貴族に静かに声をかけてやる。
ありったけの殺意と魔力を籠めた声で。
「僕を襲うとは何事か」
体中の力が抜けたのかへたり込む3人。
僕のためにと先ほど注意してくれていた高貴な身なりの一人は跪き、僕の前で頭を垂れた。
説明…というか最後には服従に代わっていたのだけれど、とりあえずそれを終えた僕は再び闇の陣営の幹部が集まっている場所へと向かう。
ベラトリックスはAと親しかったけれど、それでも帝王に命令されたら彼女は躊躇することなくAも僕も殺していただろう。
だから…向かうのはマルフォイ夫妻のもとだ。
闇に紛れながら森を進み、ちらりと先ほどから何も言わないセブルス先輩に視線を向ける。
「…我輩は、レギュラス、お前の眷属という立ち位置だ。」
言いづらそうに彼はそういった。
精神的にとか、何かを気にしての言いづらさではない。多分本能的なものなのだろう。
苦しそうにぐっと胸元を抑えていた。
確かにさっき威圧感を出したときにセブルス先輩も少し動揺していただろうか。
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あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時