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ーレギュラス視点ー

僕は感覚をすまして魔族が集まっている場所を探し当てる。
なんとも、この体は便利だ。
いやもちろん不便なこともたくさんあるのだけれど、夜は目もよく見えるし、体は軽く、魔法の扱いも人間であった時よりもたやすい。

Aにロケットの封印場所で助けてもらった時の感覚とほとんど同じだ。
異様に軽い体とその後彼女の屋敷での離脱症状。今思えば吸血鬼特有の吸血衝動に近いものだったのだろう。
今でも後遺症として若い容姿が残っているけれど…


そんなことはさておき、戦いが始まる前に見た魔族の貴族と呼ばれる者たちを呼び集める。
しぶしぶ集まるもの、明らかに何かを察しているもの、いろいろであった。


「して…何用であろうか、旦那殿?」

しびれを切らした一人が口を開いた。
あからさまに皮肉交じりの声色である。

人間ごときが貴族全員をあつめるとか何を考えているのだ。そういう考えが丸見えだった。
よほど血に飢えていたのか、袖にはべったりと返り血をつけ、集まっている中でも特に"上級の貴族"と紹介されたものには少し嫌がられているようだ。
確かに少々ばかり品がない。


「今後について、お話ししようとお呼びしました。」

そう言葉を口にすれば、周りはざわつき始めた。
集めるだけに足らず今後の方針まで勝手に決めているのか。
その声が聞こえるとすぐに僕の右側に立っていた、ひときわ高貴な身なりの吸血鬼が閉じていた眼をゆっくりと開いた。

威圧のために声に魔力を籠めたのか、ゆっくりと開かれる唇を見て肌にびりりと何かが走った気がした。


「王の御前であるぞ。口を慎め。」

よほど高い階級にあるのか、それとも濃い魔力を持っているのか。
どちらにせよその一言で話を続けるものは一人といなくなった。

吸血鬼の上下関係について聞いたことはあるけれど…

「Aは闇の帝王に討たれましたが、心臓は僕が引き継ぎました。
…何にせよこれでもう闇側に与する理由がなくなりましたので、僕は人間側につこうかと考えています。」
 
 

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あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時

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