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泣きわめくクリーチャーに何度も質問を繰り返した。
いやだいやだ、お前なんかに答えるかと拒否するAはさすがに切れて怒鳴った。

「貴方の主人を助けようとしているのにどうして協力しないのです!
屋敷しもべ妖精は主人の命令を聞くことが大事でも、第一は主人の幸せでしょう!」

まだクリーチャーと僕の契約が切れていないことからして、どんな状況にあったとしても僕がまだ生きていると多分彼女は確信していた。

場所を聞き出した彼女は首元のチョーカーを外して魔力を満たし、洞窟へと向かった。
魔法使い対策はしてあっても、ほかの対策はさほどしていなかったのか、トラップも簡単に突破して彼女は奥の湖までやってきた。


ほら…この湖、ハリーも行ったのでしょう?


「まって…私もこの景色どこかで…
そうだわ。ルーピン先生の授業でボガートが映した貴方の恐怖よ。」

「そんなことよく覚えてましたね、ハーマイオニー。」


さほど場所自体にトラウマを持っていたりするわけではないから場所を見せられただけでは怖くはないのだけれど、Aが水に入っていったとなると話は別だ。

吸血鬼というのは、流水に弱い。
ある節によるとそれはキリスト教に起因するものらしい。洗礼とか流刑とか聖水だとか。
Aは元々キリスト教徒でなければ、完全な吸血鬼でもないのでさほど影響はしないけれど、やはり泳ぎは上手とはいいがたいし、なんなら泳いでいる状態は僕からしたら溺れているようにしか見えない。


焦っているAが群がる亡者に魔法弾を撃ち込んでいく。
彼女のもっている吸血鬼の魅了能力は生きているものにしか聞かないため、あやつられている死体は一切反応しない。

湖面に炎を張って、彼女は意を決したように湖に飛び込んだ。

僕の額が一気に汗でぬれた。
もう、本当の彼女はどちらにしろこの世にいないというのに。

 
 

ロケット→←1979年



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あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時

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