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1979年 ページ13

「父の葬式は帰ってから数日後に執り行われて…
兄は結局来ることはなく、母は部屋でふさぎ込むばかり。
ほとんどの準備をAとセブルス先輩がしてくれたんです。」


そして新年のパーティー。
僕の家では行える状況ではなかったので…喪中であったのと母が人前に出れる状況ではなかったので、その年はAの家で行われました。
どちらかといえば闇側に与する純血貴族、セブルス先輩や多分あの中には魔族もいたかと思います。


僕はこれでもう最後だと思っていましたので、赤い大輪のバラを持ってパーティーに行きました。


今見ると相当非常識な話だ。
亡くなった父を偲んだりするわけでもなく、葬式もほとんど他人に任せきり。新年のパーティーでは主催者にバラを持っていって告白を言い逃げするだなんて。


「この時にすでに告白を?」

「えぇ。
最も、返答は聞きませんでした。
それに吸血鬼の愛の言葉には言霊が宿りますから待っていたとしても僕が望んだ答えは聞けなかったでしょう。」


そのまま僕は何を思ったかタウンハウスに戻る。
クリーチャーを連れて分霊箱のチョーカーが隠されている洞窟に向かった。

帝王に頼まれてクリーチャーを貸し出したら、僕の唯一の家族、といってもいい彼に毒薬を飲ませ苦しめた。
許せなかったその思いが再燃してしまったのだ。

死ぬつもりはあまりなかったけれど、ここで僕が死を選びブラック家を捨てれば兄に擦り付けられるだろうかと。

多分ストレスが相当にたまっていたのだ。


ーーーーーー

ぱっと場面が再びパーティー会場に戻った。
そわそわとした表情で重要人物との会話を手短に終えたAはやっと、といった表情で姿くらましをした。
多分僕の魔力を追って飛んだのだろう。
ついた先はブラック家のタウンハウスで困惑している。

すこししてから大きな物音がして、びっくりした彼女は一回のダイニングに姿を現す。

そこには泣きぬれのクリーチャーがロケットを持って地面に座り込んでいた。
大きなテニスボールのような目からは滝かのように涙があふれていて、吸血鬼ごときがこの屋敷に立ち入るなと、とぎれとぎれに叫んでいた。
 
 

湖→←父



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あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時

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