無理ゲー ページ47
「確か防衛術とマグル学を受け持つのよね？」
ジニーは車内販売で購入したカボチャのケーキとジュースを食べながら問うた。
何だかカボチャジュースを飲んでいる人を見ると一年生の時にAが大量に飲んでいたのを思い出す。よくこんな甘いものを２本も続け様にのめたものだ。
「はい。
今年からどちらとも必修科目になったので会う時間がたくさんありますね」
そう、なぜか知らないけれどマグル学も必修科目になったのだ。
すでにマグル学をとっていた生徒にはこれまでと同じような授業スピードで進めていくにしろ、７年生とか残りの１年で何を教えろというのだろうか。まさか３年からの４年分を１年に詰め込んで他のマグル学専攻の生徒と同じできにしろとはいうまい。
言ったとしたらセブルス先輩をぶちのめしてやろう。やらないけど。
「何をやるかは…聞いていいの？」
僕はアタッシュケースから６、７年生に使う予定の教科書を取り出した。
マグルの生活入門。何だかタイトル的に"応用"もありそうな名前ではあるが、この教科書が見たところ一番マシだったのだ。
マグル学なんてそもそもとる人は少ないし、マグル学をそのまま研究する人なんてイギリスでは一握り、と言ったところである。教科書も数冊出てはいるものの、まっとうなものは少ないし、最悪実習みたいな感じでいいかなぁと思っている。電話のかけ方とか、車の動かし方…あぁ、電気の使い方を魔法で応用するのも悪くなさそうだと脳内メモに書き込んでおく。
「この教科書を使う予定です。
６年生は一年でこれをやって、７年生はどちらかと言えば実習を重点的にする予定です。１年で何かを得れるなんて期待できませんからねぇ…」
なお、新しくマグル学をとる生徒と元々とっていた生徒を別々に受け持つとそれこそ僕の身が２、３あっても足りないのでもうクラスで分けて行うことになっている。
なので基礎はやりつつも、元々とっていた組にも退屈にならないような内容で、尚且つNEWT試験をちゃんと受けれるような…
え、これは無理ゲーではないだろうか。
と若者言葉を借りて言ってみた。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2020年5月5日 2時
