コンパートメント ページ46
何だか謎に不快というか、気持ち悪さというか…何かを覚えてパチリと目が開く。
耳塞ぎ呪文、マフリアートがかけられているのかと納得して、それの反対呪文を無言で発動する。
「僕にマフリアートとはいい度胸をしていらっしゃるようで、みなさん。
これが校内でしたら減点ものですよ？」
僕がそう言えば、びくりと背筋を伸ばした３人の顔がこちらを向いた。
ネビル、ルーナ、そしてジニー。席がもうなかったのか、彼らは同じコンパートメントに座っていた。
「減点って…監督生じゃないだろう、レギュラス？」
ネビルは不思議そうに呟いた。
…新聞を読んでいないのだろうか？日刊予言者新聞がデカデカと新しい教師の名前を出していたというのに。
「監督生じゃない、でも教師、でしょう？」
ルーナは相変わらずどこかぼんやりとした声でそう言った。
僕はそれに同意するように頷けばネビルは両目をパチパチさせて驚いた。
逆に僕からすればあからさまに死喰い人な僕と平気で会話する三人の方に驚きの感情が湧くのだけれど。
「…確かにそうだけど…何でなのか分からないけど、レギュラスなら大丈夫って思ってしまうのよね。
そう言えば、Aは？」
ジニーは至って普段と同じようにリラックスした様子でそう聞いた。
僕なら大丈夫…かぁ。前学校にいたときにはあの人の狂信者を演じていただけで避けられていたり、まぁそもそもブラック姓を持っていたおかげで何かと苦労したものだけれど。
「Aは…学校にはきませんよ、多分。
魔法省やら色々と忙しいようですし。」
そう、魔法省での立場が高くなった彼女は高等魔法生物だけでなく、人の管理までできる権限を得たのだ。
もちろん魔法省での職を保証とか、そういう事は人事部だか魔法大臣の側近達がやることなのでできない。
でも風の噂では唐突に解体された部署の優秀な人材を自分の部に拾っているようだ。
多分ちょうどいい雑用係とかそのくらいにしか思ってなさそうではあるけれど、恩を売られているから拾われた側も簡単には裏切りはしないし、生活のために稼がなきゃいけないしで持ちつ持たれつ、みたいな感じなのだろう。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2020年5月5日 2時
