【ハリーポッター】吸血鬼少女は逃亡する【１４章】 (ページ42)

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魔窟へページ42

お腹が空くので持っていた最後の食料を口に詰め込んで支度をする。
どれだけ食べても面白いほどに体型が変わらない。まぁ、お腹は少しずつ膨らんできたけど。

死喰い人の雰囲気的にコルセットやら、そういう細身の服をきてきたけれど今はそんなものを身につけてはいけないだろう。
体を冷やすのもいけないし…白いシャツを身に纏い、その上から黒のエプロンワンピース。襟元にはリボンタイ、そして袖はカフスボタンでもしておけば多分そこまで服装に関してとやかく言われないだろう。
あの人は見た目も大事にするからなぁ…面倒なことに。

会議でも終わったら街に色々と買い出しに行こう。
服も私とセドリック、そしてそのうち生まれてくるだろう子供の物も必要だ。まだ４ヶ月目に入ったくらいで気が早いかとも言われそうではあるけれどこのご時世、いつ店がしまってものが買えなくなるかわからない。
そして食べ物もできるだけ貯めておいたほうがいい。この土地にある畑はもう使い物にならないほどに荒れている。

「準備は大丈夫、A？」

ドアの向こう側からセドリックの声が聞こえる。
ゆっくりと隔てるそれを開ければ彼は淡く微笑んだ。これからいく場所に緊張しているだろうに…穏やかそうだ。

『えぇ。
魔窟へ、向かいましょうか。』

低い黒のエナメルを履いてセドリックが差し出してきた手の上に自分の左手を軽く乗せる。
小さく息を吐き、触れ合う手に意識を集中させる。
思い描くはマルフォイ家の玄関前。

ぐるりと手に向かって収束していく感覚に身を任せて姿眩ましをするのだった。
　
　