闇祓いの二人 ページ11
「久しぶりだね、Aちゃん。」
「レギュくんは一緒じゃないんだね？」
アルさんはぐっと背伸びをしてそう言った。
レナさんはいつもはおろしていた赤みがかったブロンドをポニーテールにしている。
『えぇ。
レギュラスは、あちらの方です。』
それに私は今回あちら側には魔法省からの要請、という事で通してありますから一人でしか来れなかったんです。
『あの人に邪魔するようには言われてますけど…誰が本物のハリーかわかりませんからねぇ。』
チラリと窓から漏れる光の方を向いて、すぐじっと見つめるアルさんの視線と合わせる。
「そんな事言って…チョーカーしていないところを見ると、わかってそうだけど？」
彼の胸元の魔法省バッジがきらりと光った。
小さく"魔法省魔法方執行部闇祓い局"と書いてある。
多分このご時世だからか研修は２年で終わったのかな…見習いであればそう書いてあるはずだし…
『わかろうと思えば。でもやりませんよ。ダンブルドア先生を落としたのは私だということは否定しません。
でも…今ここでハリーに死なれても困りますから。』
ホークラックスを効率良く見つけ出せるのは多分ハリーだけだ。
それにハリーが死んでしまえばあの人は希望を失った魔法界を一瞬で支配下に置くだろう。国内外を問わず。
そうなってしまえば流石に私が全力を尽くしても勝算は低くなる。
「読めないなぁ…」
レナさんが小さく呟いた。
「Aちゃんが裏切ることはないんだろうけど…何か知ってそうだな。」
微笑んでいるけれど、目が笑っていない彼女は私の頬をするりと撫でた。
心の中を見通されそうで少し怖くなって閉心術に力を入れる。
『さぁ？
吸血鬼も全知全能ではありませんからね…』
そう言っておけば、横の扉から何人ものハリーと護衛が出てきた。
ある人は箒を。セストラル。昔シリウスが乗っていたバイク。色々と用意してある。
私のために用意してあるのは…やっぱり箒か。
ちゃんと乗れるかなぁ…
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2020年5月5日 2時
