追手 ページ1
校内に配置されている騎士団メンバーをけちらせて、生徒と先生から発せられる呪文に呪文を当てて回避していく。
私と認識した瞬間暗くなるマクゴナガル先生を、ハーマイオニーを、ジニーを見て、私はセブルスと他の死喰い人達を追いかける。
かぶっていたパーカーのフードなんてとっくの昔に顔を隠すことを諦めたように肩に落ちて、流れ弾で焦げている。
キルシュナー姉弟はいつぞやの契約に順守するように、私とレギュラスには一切攻撃魔法を発動せず、周りの死喰い人のみを狙っているようだった。
下品なほどに破壊活動をする死喰い人をたまに蹴りつつ、城の外へと向かう。
校内での姿現しは授業の移動目的でしか使えないため、いち早く外へ出る必要があるのだ。
『グレイバック、下品ですよ。』
血と汗と泥に塗れた狼人間は舌舐めずりをしながら生徒に攻めよる。
気持ち悪い。
奴は私のことを睨んでくる。
『いつでも魔法省に差し出せたのにそうしなかったのを忘れてないでしょうね。』
奴は子供を殺せなくなることに何よりも怖がっているのでアズカバンのことをちらつかせておけば基本的には黙るのだが、今回はそうもいかない。
興奮が勝っているらしい。
話を聞かずに去っていきそうになるやつに吸血鬼の魔法を放つ。
無数の剣で斬り付けられたような傷が奴にできる。
これで動けなくなられても困るので、傷は浅く、最小限にしてあるけれど、吹き出る血の匂いには嫌悪感しか抱かない。
獣の血であるということ、そして軽蔑しきっていることが関係しているのだろうけれど、とりあえず気分が悪くなる。
「ステューピファイ！」
セブルスの頭上を赤い閃光が飛んで行った。
ハリーの声だ。
…ダンブルドア先生を殺したのを見てなお、数人の死喰い人の元にやってくるなんて勇気のある行動だ。
『レギュラス、ドラコを頼みました。』
「了解。
くれぐれも怪我は負わないように。」
セブルスがいて、恐怖しているハリー１人であれば大丈夫かと納得したようで、ドラコを引き連れて走っていった。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2020年5月5日 2時
