制作中 ページ9
他学年、他寮生に好奇の目で見られはするがそれなりに平和な生活をおくってはいる。
体調は最悪だが、悪戯仕掛け人２代目総出で反撃準備を始めたので気分はいい。
『さぁ、今日も張り切って作りますよ！』
気合を入れるためにみんなで袖をめくると左手に刻み込まれた傷があらわになる。
痛そうなミミズ腫れ、程度には治ってきてはいるけれどやっぱり見れたものじゃない。でも見るたびに復讐心が湧いて出てくるのでそれに関しては悪くない。
「今日はミミズ花火と２代目のバンバン花火をたくさん使ったからそれを重点的に、て感じでどうかな？」
分厚い在庫と作り方のリストを眺めるシユウ先輩はそう言った。
少し長くなった髪の毛をキュッとポニーテールにしている。ゴムは赤色で桜の飾りがついていて可愛らしい。
私もこの前彼女にもらったお揃いのゴムでお団子にしている。
ついでに言えばリーもで、ジョージとフレッドにかなり笑われていた。
まぁ、それでもつけてくれているのはリーだからで、笑った双子が本気でないとわかっているからだろう。
「そこの女子３人！」
「相棒、一人は 男子だぜ？」
「フレッドお前今男子っていう前に"むさい"って言っただろ、聞こえてんぞ」
おいこら、と睨みを効かせながらも花火を着々と制作していく桜の飾り付きのリー。
彼は立ち上がって双子が掲げる設計図のようなものを見に行った。
「いやー。
あのおばさんがあたふたしてくれると、やりがいもあるってものだよ。」
むふん、と思い出し笑いをするように彼女はいたずらな笑みを浮かべた。
まったくもってその通り。
校長就任初日から学校各地での花火被害に慌てふためいているアンブリッジを見た時のあの高揚感。
先生方が"権限"があるから分からないから、と言って処理されることなく放置される花火は１０分に一回程度分裂するし、しかも分裂した一片が次どこに出現するのか分からないため、アンブリッジはとにかく城内を駆け回るしかなかったのだ。
『あの出没場所を分からなくする仕掛けは難しかったですが…やる価値は十二分にありましたね。』
作り終わったグッツを箱に入れて、二人で男子３人の方へと向かう。
何やら悪魔的な笑みを浮かべているので、きっとアンブリッジにとってろくでもない、生徒と先生方にとっては最高の案を思いついたのだろう。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年9月2日 3時
