将来の夢 ページ11
「職業、もうそろそろ決めなきゃいけないんですよね？」
アストリアの隣に座っているスカーレットが机の上に乗っている大量のパンフレットの中身を眺めながら聞いてきた。
そう、休暇が明けたら寮監と進路についての面接が始まる。
明確な職業があるものはそれに必要な試験を受け、明確ではないものはとりあえず得意科目と、必要な点数を見合わせて６年と７年の授業を選択しなければならない。
綺麗な縦巻きの赤毛を揺らして話す姿はお人形さんのようだ。
遠くから男子の視線が彼女に集まるのも納得。
『そうなんですよねぇ。
でも正直、家を継いでいるのでこれ以上仕事を増やすわけにも…
…あぁ、できることならば研究員とかになりたいですかね。』
管理しなければいけない広大な領地を思い浮かべた後に夢のないことを言ってしまったと反省して、職業を言ってみる。
吸血鬼専門の研究者、とか。
「僕はもう決めている。
お爺様と一緒の癒者だ。
魔法薬学、薬草学、変身術、呪文学。それあたりは問題なさそうなんだが防衛術がなぁ…今年のテストがどうなるか。」
アンブリッジにもらった尋問間親衛隊の"I"の字のバッチをその辺にポイッと投げ捨てて、アクシオで取り戻した。
多分、顔を思い出して突発的にやったはいいけど、なくしたらそれはそれで面倒だし、と言ったところだろう。
「私はねぇ、Aと一緒みたいな感じよ。
家継がなきゃいけないけど、在宅でできるように家改装して研究職につきたいわ。」
パンジーは研究職について、のパンフレットを読みながら答えた。
研究職は何を研究するかによって科目選択がかなり変わるので先生と要話し合い案件である。
ドラコが持つの聖マンゴのパンフレットを後ろから覗き込むダフネは少し小首を傾げた。
「私は癒者も考えたんだけど、どちらかというと新しく薬とかを作る薬剤師、みたいな職業につきたいかな。
最初は魔法薬学の先生でもいいと思ったんだけど、どうせだったら世の中の人のために作りたいでしょ？」
次々と出てくる職業にミリセントは感心しているように肯いた。
どうやら彼女はまだ明確には決めてはいないらしく、魔法省のパンフレットをパラパラとめくっている。
「できれば外交官みたいな職業につきたいかな。
まだ決めきれてはいないが…」
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年9月2日 3時
