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河川敷に腰を降ろして、少年に自己紹介をするA。
「私の名前はAって云います。」
「僕は、中島敦です」
敦ははにかんで自己紹介をした。
Aは「宜しくお願いします」と敦に会釈した。つられて敦も会釈する。
顔には出さないがAは目の前に居る人の名に聞き覚えがあり過ぎて心の中で驚いていた。
Aにとって読書が唯一の趣味。だから何度もその名を目にしてきたからだ。
彼は文豪の名を持つ者の一人だ。
「中島さんの方が、二つ上なんですね」
「えっ…じゃあ今君って…」
「十六歳です」
てっきりAを同い年だと思っていた敦は大人っぽいなーと思いながらAと会話をする。
河川敷に座る二人を橙色の光に照らされる。
「Aちゃんはどうして此処に来たの?」
「……家出です、少し疲れて。」
「そうなんだ…。」
「中島さんは如何して此処に…」
「孤児院を追い出されて…」
「それは…大変でしたね」
お互いの抱えているものが重かったのでこれ以上は聞かないようにする敦とAは、夕陽を反射する川を見て黄昏れている。
「「…………」」
敦とAは目の前に流れてきたものを見て絶句して、互いの顔を見合わせる。
「Aちゃんアレって…」
「紛うことなき脚ですね」
そうしている間にも脚はドンドンと流れていき、脚に止まった鴉が騒ぎ立てる。
Aは徐ろに立ち上がると、外套。ヘッドホン。ローファの順に脱ぎ捨て
「だ、大丈夫ですか!!」
と流されていく脚に呼び掛けながら川に飛び込んだ。Aの行動力に驚きながら、敦も川に飛び込んだ。
川の流れが速くて手こずったが、敦とAは何とか流されていた脚の主を陸地に引き上げた。
「ハァハァ。Aちゃん大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
犬神家のスケキヨかよとツッコミを入れたかったAだがそれは堪えた。堪えきった。
川から引き上げたのは、嘸かし女性に持て囃されるであろう顔立ちの黒い蓬髪の青年だった。
すると行き成り青年が覚醒して起き上がった。
驚く敦と、良かった起きたと安心するA。
だが、
「チェ、扶かったか…」
この青年の発言に
扶けた本人達。敦とAは自分の耳を疑った。
だが青年の態度から矢張り、間違えではないと思う。
((今、この人チェと云った))
不審者だと云いたげな目で青年を凝視する敦と、Aの姿があった。
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御影(プロフ) - 綾田さん» コメントありがとうございます！ (2023年1月10日 7時) (
レス) id: e37802ecfa (このIDを非表示/違反報告)
綾田 - 夢主がめっちゃかわいいっ！？です。どんな子なのかな？と読み進めてたら、好みドンピシャで……マジかわいいです。ありがとうございます。 (2023年1月9日 21時) (レス) @page13 id: 9d196278d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御影 | 作成日時：2022年5月29日 22時
