検索窓
今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:3,206 hit

ページ36

.









「確かに面倒だろうけれど、キース様はぎりぎりのところを見極めていた。

 本当に従者として優秀だわ。わたくしが欲しいくらい。さすが魔王の左腕ね。そうでしょう?」

 









にこりと微笑みかけると、ベルゼビュートがふてくされたように応じる。










「それは、まあそうだが」






「キース様はこちらに必要な人間だわ、クロード様にも魔物たちにも、

 勿論あなたもそう思うでしょう?」





「____気に入らん!」
 






吠えたベルゼビュートが、どかりと床に腰を下ろしてぶつぶつ言い出す。






「殴って解決では駄目なのか。どうしてだ。焼き払えばいい!人間の町など一瞬だ!」






「じゃあたとえばそこにドニの家があったら?」
 





通訳をしていたせいか、ベルゼビュートはドニと仲が良い。






腰から下げている剣は、ドニがデザインしそのツテで作ってやったものだ。





だからか、即答が返ってきた。










「燃やさない。あいつはいいヤツだ。その程度の調整はできる」







「じゃあ、あなたの知らないドニの友達がいたら?」






「.....」













難しい顔をして黙りこんでしまった。









苦笑いをしながら、アイリーンはベルゼビュートの頭に手を伸ばす。








そしてその頭を、できるだけ優しくなでてやった。









「....何の真似だ」







「頑張って考えているみたいだから、えらいなと思ったのよ。

 ____その調子で、色々学ぶといいわ。

 きっとクロード様とキース様の役に立つ。

 あなた本当は、キース様をたった一人で戦わせていた自分の不甲斐なさが、

 我慢ならないんでしょう」

 





ぐっとベルゼビュートが詰まってしまった。




よしよしと、アイリーンはその頭をなで続ける。







「____いつまで撫でる」







「元気になるまで」






「ならもういい!____来たぞ」

 






聴覚と視力に優れているベルゼビュートの目配せに、慌てて地上を見る。




遠くからキースに向かって、いかにも怪しげな集団が近づいてきたところだった。
 







場所も何もかもイベント通りに、密売が始まった。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:悪役令嬢 , 転生 , 悪ラス
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雑草のかきあげ | 作者ホームページ:無いです  
作成日時:2021年11月14日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。