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「アイリーン様こんにちは!久しぶりにお会いできて嬉しいです!
相変わらずおキレイですね、今度是非!お化粧の仕方を教えていただきたいわ!」
アイリーンも負けじと笑顔で返す。
「あらリリア様ごきげんよう。
『親しい間柄でもない限り伝言・質問以外声をかけるのは身分が上の者から』
という淑女のルール。
散々、お教えしましたのにすっかりお忘れですの?
相変わらず頭の中がスッキリサッパリなさってて羨ましいわ。」
2人の間にバチバチッ、と見えない電流が走る。
マークスとセドリックは状況を察せていないが、クロードは『通常運転』と心の中で思っていた。
「それにしても、魔物たちを一掃?耳を疑いましたわ、
魔物を殺めることは不戦条約で禁止をされておりますのに。
まったく頭も口も軽い方々ですわね、
内密になさるのは聖剣の乙女のことではなく魔物の一掃のことでは?」
「せ、聖剣を見て魔物が逃げ出しただけだ! かすり傷一つリリアは負わせていない!」
「まあ、それはよかった。ね、クロード様」
ぽんとクロードの握り拳に手を置く。
それでやっと、足下に渦巻く冷気が止まった。
「で、なんのお話でしたかしら?キース様が魔物の密売をしているとかなんとか?」
「そ、そうだ」
「はあ、馬鹿らしい。お引き取りくださいな」
「そんな...!魔物が可哀想じゃないですか!」
「_____魔物の売買は犯罪でも何でもなくってよ?」
目の光落としたアイリーンに、リリアが目を丸くした。
「えっ...うそ..」
セドリックやマークスですらぽかんとしているのだから始末に負えない。
「禁じられているのは魔物を傷つけることですわ、魔物の売買は禁じられていません。
倫理観レベルの接度のお話です。条約をきちんとお読みになった?
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