【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ50)

今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:72,529 hit

第九十訓ページ50

『一生恨み続けろ。私はあんたなんかに殺される程やわじゃない』

鋭い目つきで睨まれるが、その手に持つ銃の照準は定まっていない

打ってみろと挑発するように棒立ちしているAにとうとう森司は引き金を引いた

ﾊﾟｧﾝｯ

『…あんたに私を殺すことはできない』

思いきり外した銃弾を見て森司はクソッ、と銃を地面に叩きつけた

「…俺はお前を許さない、必ず殺してやる。今日俺を見逃したことを後悔させてやる」

『…そりゃ怖い。でも…次は妙な奴に協力してもらわず、正々堂々来な。私は逃げも隠れもしない』

去って行く森司を見送り足音が聞こえなくなった途端、Aは地に膝をついた

『…ｸｯ』

「師匠！」

腹の傷を押さえると未だ流れ続ける血がボタボタと地に落ちた

もう一度立ち上がり、縛られている立花の元へ近づく

『ありがと、大人しくしといてくれて…』

「そんなことより止血をっ」

立花に"自分は門下生を殺した人殺しだ"と打ち明けると

立花は何を聞くでもなくただ一言

「俺は師匠を信じます」

そう言ってのけた

『だったら、私がこの縄から抜け出すまで…何があっても立花はずっと気絶したフリをしてて』

奴らの狙いはAへの復讐
変に立花へ矛先が向けば、痺れの残った身体じゃどうしようもできない

だから今の今まで立花には気絶したフリをしてもらっていたのだ

連中が捨てた刀で縄を切り解放すればすぐさま立花はAの身体を支える

そのまま柱にもたれかけるようゆっくり下ろしてくれた

「何か止血できそうなものを…」

残念ながら二人とも手持ちに何も持っておらず、立花が自分の隊服の袖を千切ろうとしているのを止めビルの奥を指差す

『アレ、あそこに何か布みたいな物あるから…アレで止血する』

もうこのフロアならある程度夜目が利くようになっていた
縛られていた時は死角で見えなかったが、奥の暗がりに布らしき物が見える

取ってきます！と駆けて行く立花に礼を言いながらふと辰巳の様子を見るべく振り返った

『…いな、い？』

蹴とばして壁にめり込ませていた辰巳の姿が消えていた

嫌な予感がする

ガバッ

急いで立ち上がり、立花へ叫ぶ

『待て立花、戻って来い！！』「師匠！逃げて下さい！！」

二人同時に重なった声

布を掴んだ立花の足下にある何かチカチカ点滅している物体を認識したと同時に

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

ドガァアアアアアンッ

凄まじい熱気と爆風に身体が飛ばされた