検索窓
今日:14 hit、昨日:4 hit、合計:122,193 hit

第五訓 ページ6

ガヤガヤと騒がしい食堂内に入ると途端にしんと静まり返った

視線がAへと向けられ騒がしかった声はひそひそとしたものに変わる

途切れ途切れに聞こえてくる単語はAに対してのぼやきばかり


特に気にせず突っ切り、食事を配分している厨房の方へと向かった


「はいよ、お嬢さんの分」

お盆に乗せられたのはご飯とみそ汁、添える程度の漬物

一汁一菜。よくある庶民的なものだ

配膳係をしている人にお礼を言い、Aは誰も座っていない隅の方に腰かけた

Aの話題に飽きたのか、先程までの嫌な感じはもうしない

食堂はまた賑やかになっていた


Aは箸を口に運びながら辺りを見回した
皆それぞれの流派ごとに固まってテーブルを囲っているようだ

ガタイの良い男たちがこの量では足りないのだろう

幸い白飯は大量にあるようで、男たちは次々おかわりをしている

まだ浪士組は本結成にすら至ってないため当たり前だが収入はゼロ

幕府から与えられた資金は組全体のためにしか使用してはならない(破ったら切腹)

使用用途も毎日やってくる松平の側近である佐々木に申請しなければならない

人数の割りに多いとはいえないお金は節約する必要があるため質素な生活を送らざるを得ないのだ


皆の夕飯タイムが終わりかけてきた頃

「おう、皆聞いてくれ」

先程の半裸(だった)男が食堂の賑やかさに負けない大声をあげ、皆の注目を浴びた

「これから飯は当番制で回して作っていこうと思う、自分たちの飯だしな!そこでだ、同じ釜の飯を食う仲間同士、流派だなんだ関係なく全員くじ引きで当番班を決めるってのはどうだ?」


確かにその考えは一理ある
しかし、そこで大人しく賛成する連中ではなかった


_あ?何勝手に仕切ってくれてんだ。俺たちの方が上なんだからてめえら下のもんが作ればいいだろうが

_はァ?誰が下のもんだって?どう考えてもうちの方が上だろうが


うちだ、いやうちの方が…
まとまる気は一切ない様子
ここが食堂だということも忘れ今にも暴れ出しそうな男たち

これには提案者も呆れた表情を隠せていない

無理もない、協調性のないこの連中に言う事きかすなんて難しい話だ

しかしご飯は朝昼夕と必要なのも事実


結局はそれぞれの派閥で分担して作っていく、ということでこの話は落ち着いた


…のだが

第六訓→←第四訓



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
94人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 真選組 , 沖田総悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あまね | 作成日時:2019年2月4日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。