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第二十六訓 ページ27

「師匠ー!」


稽古が終わるとすぐ、立花がこちらへ駆けてくる

立花には皆の素振りに参加するように言ってあった

最近従順さに磨きがかかり、最初こそ鬱陶しさを感じていたが、案外使い勝手がいいことに気付いた

命令という名の頼み事をすれば大体の言う事は聞いてくれる

とはいえ、そんな無茶なことを言う程落ちぶれちゃいない

右足が使い物にならないため、その間の生活を手伝ってもらっているだけだ…うん


「師匠!どうでしたか今日の俺の素振り!」

『後で復習に付き合うから、ちゃんと水分とって汗流してきて』

この暑さと日差しで長時間稽古し続けていたのだ

笠もなく、だなんてAにとっては考えられない

稽古への姿勢は感心ものだが倒れてしまっては元も子もない


渋りながらも言う通り屋敷へ戻って行く立花を見送り、Aも立ち上がった時


「Aちゃん、ずっと稽古を見てたみたいだが大丈夫なのか?」

わらわらと散っていく皆の間を割って、近藤がAの元へやって来た


『今日は大丈夫、コイツがあるからね』

そう言いながら頭に被っている笠を指さした
ついでに直接肌に日を浴びなければ問題ないことを簡単に説明する


「そうか、でも無理はするもんじゃないからな。体調が悪くなる前に戻るんだぞ」

『はいはーい』

「「はい」は一回です!!」

保護者か、とツッコみたくなるくらい近藤はAを心配してくれている

こういうところも、あのならず者たちに慕われる理由のひとつなのだろう


『それより近藤、あんたのとk

そこまで言ったところで近藤の後ろからぬっと出てきた人物が会話を遮った

「おいてめェ、さっきから見てりゃ近藤さんに対して随分生意気な態度だな」


不機嫌を全身で表しながらAを睨みつける少年

沖田総悟だ



『生意気?』


「近藤さんはうちの…浪士組の大将だ。敬語も使わねェ、馴れ馴れしい態度、生意気にも程があるだろ」

『あぁ…私昔からこんな喋り方だから、つい癖で』


この偉そうで上からな喋り方は昔からの癖だ
目上だろうと尊敬する人以外には大体こんな感じである
なんとも可愛げのないガキだ

初対面だろうが関係ないこの態度は、気に障る人もいるだろう…とういか大体の人の気に障るだろう


『確かに、私にとっても大将になる訳だから、この態度は改めなきゃならないね』


そう答えると更に眉間に皺を寄せた沖田が口を開いた

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作者名:あまね | 作成日時:2019年2月4日 23時

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