ヨンジャウシチ ページ7
……
胸に感触を覚え
終わった…
そう覚悟した…
沙「……」
彼女は黙りこんでいる…
僕も油断してた…
だって相手は店員だよ？
いきなりそんな事するはずないもん…
信頼の中裏切られるってつらいね…
あれ？…
ふと自分の胸を見下ろすと確かにさされてる…服も赤くにじんでるし…
沙「…これくらいでいいですね」
それを引き抜く彼女
何で？…
痛みがこない？……
「……どうして？」
また再び胸を見下ろす
そこには驚くべき光景が広がっていた
にじんだ赤が小さくなっていき
消えていく…
「!!!？」
…なんだこれ
僕の体に一体何が起こってるの？
自分の部分に目に付いた物
いつこんな物が？…
緑色の薔薇をかたどった模様
沙「それは不死身の証し…」
？「ぐがぁ…」
何かのうめき声が彼女の後ろから聞こえた…
紅い目を見広げた人間
シャツは赤く染まり彼女を後ろからおそおうとしていた
反射的に自分の体が動き彼女をガラス張りの方にやり
その化け物と向かいあう
「この人は一体どうしちゃったの？」
沙「吸血鬼にされてしまったのよ」
吸血鬼だって！？
「ふざけないでよ」
そんな者がこの世の中いるはずないじゃん…
沙「事実です……この洋館には吸血鬼達の巣くつなのです」
ねぇ彼女は何をいってるの？…
誰か教えて…
僕達はただ体休めのために泊まりに来たんだよ…
こんな訳のわからない恐ろしいことに巻き込まれるなんて思ってもいなかった
沙「これを使って下さい」
渡されたナイフ…
もしかしてこれでやれってこと？…
そんなの
「嫌だ!!!!」
彼女の片手をひくと
そのおそってくる化け物から逃げるように
通路を走って突き抜けていった
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作者名：赤龍 | 作成日時：2016年6月28日 0時
