ナナジュウキュウ ページ39
sideなし
ある一室でカーテンを締める音が響く
今から朝を向かえると言うのに
外の光を遮るように
部屋の中はうすぐらさが包み込んだ
?「今日はどのワインにしますか？」
横長いテーブルに並べれた五つのワイングラス…
しかしどれも赤黒い色にしか見えない
彼が呟く先にもこちらも黒のカーテンが閉まってる
「毒ハ、ハイッテイナイダロウナ？」
カーテンのさきに誰かいるのだろうか…
不気味な声が部屋にこだます…
「大丈夫です貴方様のために毒味は前もってわたくしがしました」
「……スマンナ、オマエヨリ前ニ、コノワタシニ刃向カッタオロカモノガイテナ…」
「えっ貴方様を？」
「…アァ…ニンゲンノミカタニネガエリヨッテ……マァア、"アソコ"デ葬ッテヤッタガナ」
カーテンが開いてく…
ソファーに足を組んで座る影…
それがゆっくり立つと
五つに並べれたワイングラスの前に立つ
それを合図に下がる男…
「……どれもいい香りだが…」
一つのワイングラスに立つ
「……これは?」
「…はい！おきに召して頂きありがとうございます…こちら…まだ熟してもない若いノミモノでして」
「…ソウカ…」
影がそれを手に持つと口のような所に運ぶ
みるみるその紅いノミモノが吸い込まれるようになくなった…
「どうですか!？」
「……ウマイナ…」
「ほんとですか！」
その男も喜んだ表情を浮かべる
「……ゼヒトモ、ジブンノテデ熟サセテノミタイモノダ……サガッテヨイゾ」
「…ありがとうございます、では」
その男は頭を下げてドアへ行き出ていった
残った人影もまたソファーに戻ると足を組み飲みきったワイングラスを片手に見つめていた
「……オマエハドコマデ美味シクナルダロウカ…」
そう呟くと
ニやｯとその影が不気味な笑みを浮かべた…
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作者名：赤龍 | 作成日時：2016年6月28日 0時
